直木賞に馳星周氏、芥川賞に高山羽根子氏と遠野遥氏

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2020/7/15 16:37 (2020/7/15 21:56更新)
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記者会見に出席した高山氏(右)と遠野氏(15日、東京都千代田区)

記者会見に出席した高山氏(右)と遠野氏(15日、東京都千代田区)

第163回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は高山羽根子氏(45)の「首里の馬」(「新潮」3月号)と、遠野遥氏(28)の「破局」(「文芸」夏季号)に、直木賞は馳星周氏(55)の「少年と犬」(文芸春秋刊)に決まった。遠野氏は平成生まれで初の芥川賞受賞者となる。

贈呈式は8月下旬に都内で開かれ、受賞者にはそれぞれ、正賞の時計と副賞100万円が贈られる。

高山氏は富山県生まれ。3回目の候補で受賞が決まった。受賞作は沖縄が舞台。主人公は知人の資料館の整理をしつつ、ネット上でクイズを出す仕事をする。突然現れた馬との交流など、不思議な世界観をもとに他者との関わりをつづった。

高山氏は記者会見で「(受賞のおかげで)もう少し書かせてもらえると思い、ほっとした」と喜びを語った。沖縄を舞台にしたのは「たまたま行った経験がご縁になった」という。選考委員の吉田修一氏は「孤独な場所を描くという高山さんのこだわりが見えてきた作品」と評価した。

遠野氏は神奈川県生まれ。初の候補で受賞が決まった。受賞作は公務員を目指して一見充実した大学生活を送る主人公につきまとう、不穏さや虚無感を描く。

選考委員からは「主人公の、人間としてのアンバランスさが魅力的」(吉田氏)と評価された遠野氏。淡々とした表情で「(読者からは)好きになれないという声も聞いていたので、歴史ある賞をもらえたのは意外だった」と語った。

馳氏は北海道から映像中継で会見に参加した(15日、東京都千代田区)

馳氏は北海道から映像中継で会見に参加した(15日、東京都千代田区)

馳氏は北海道生まれ。出版社勤務などをへて1996年、新宿・歌舞伎町を舞台にした犯罪小説「不夜城」でデビュー。同作は金城武主演で映画化もされてヒットした。今回、7回目の候補入りで受賞となった。

受賞作は、東日本大震災から半年後の仙台を舞台に始まる連作短編集。飼い主を失った犬「多聞」が、ある男性に拾われ、その後も様々な人に出会い、日本列島を旅する姿を描く。馳氏は「書きたいことを書いたうちの一つ。純粋にありがとう、という気持ちだ」と喜びを表した。選考委員の宮部みゆき氏は「善い人ばかりでない物語は馳さんじゃないと書けない。代表作だと思う」とたたえた。

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