国と佐川氏、棄却求める 森友改ざん自殺訴訟の初弁論

社会・くらし
2020/7/15 15:19 (2020/7/15 17:01更新)
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学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当した財務省近畿財務局職員だった赤木俊夫さん(当時54)の妻が、国と佐川宣寿元国税庁長官に計約1億1200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、大阪地裁で開かれた。国と佐川氏側は請求棄却を求めた。一方、妻の雅子さん(49)は、自殺は決裁文書の改ざんを強制されたのが原因として、「真実が知りたい」と訴えた。原告側は今後、佐川氏の尋問を求める方針。

赤木さんの自殺を巡っては、財務局が民間企業の労災に当たる「公務災害」と認定している。

この日の弁論までに、佐川氏側は「公務員が違法に損害を与えた場合、賠償責任があるのは国で、公務員個人は責任を負わないことが判例として確立している」と主張する答弁書を提出。国側は改ざんの経緯など事実関係はほぼ争わないとしたが、追って具体的に反論するとした。

雅子さんは意見陳述で、赤木さんが国家公務員の仕事に誇りを持っていたとし、「決裁文書の書き換えを強制された。心の痛みはどれだけだったか」と訴えた。国の調査報告書や情報開示が不十分だと指摘し、「真面目に働いていた職場で何があったのか、何をさせられていたのか知りたい」と述べた。

訴状などによると、2017年2月、財務局が大阪府豊中市の国有地を鑑定価格から8億円余り値引きし学園に売却していた問題が表面化した。当時、理財局長だった佐川氏は財務省の部下に決裁文書の改ざんを指示。赤木さんは抵抗したが、財務局の上司の指示を受けて3、4回にわたり改ざん作業を強制された。

この結果、長時間労働や連続勤務で心理的負荷が過度に蓄積。同年7月にうつ病と診断されて休職し、18年3月7日に自殺した。

決裁文書の改ざん問題では財務省が18年3月、決裁文書14件の改ざんを認めた。同6月に佐川氏が主導したとする報告書を公表、同氏ら20人を処分した。佐川氏や財務省関係者らは虚偽公文書作成容疑などで告発されたが、大阪地検特捜部はいずれも不起訴とした。

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