株式とは? 債券とは? 教えて積立王子
積立王子への道(9)

積立王子
投資信託
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2020/7/16 2:00
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投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

企業はまず株式、次に債券で資金を調達する

長期投資はお金を実体経済に働きに出すことだと説いてきたけど、要するにそれは経済活動の担い手である産業界が必要とする資金を提供することなんだ。産業界は自らのビジネスを行うためお金を調達する。どうやって調達するか? ハジメくんも知っての通り、企業の大半は株式会社だ。つまり、まず株式を発行してそれを投資家に買ってもらうことが最初の資金調達であり、事業資金の根幹は株式経由で賄われるんだ。その合計である世界の株式市場の時価総額は約86兆ドル(2019年末、QUICK・ファクトセット調べ)と世界経済全体、すなわち世界の国内総生産(GDP)に匹敵する巨大スケールだ。

次に借入金による調達となる。企業は銀行融資と並び債券発行によってそれを行う。債券市場は株式市場よりさらに大きく、企業が発行する社債と国家が発行する国債を合わせると100兆ドル以上の規模があるといわれているんだ。

バランスシートでは債券は負債、株式は資本~資金調達の両輪だ

企業のバランスシートで説明しよう。左側(借方)は「資産の部」で事業活動に必要な有形・無形の資産が並ぶ。そして右側(貸方)が「負債の部」と「資本の部」だ。負債とは借金にあたるもの。債券を発行して調達した債務はここに該当する。そして資本の部には株式発行で調達した資金が入るんだ。

要するに資本市場を舞台に、株式と債券という手段によって大半の産業資金が賄われ、そのお金を元にして事業活動が行われ、製品を開発したりサービスを提供したりする。それらの総体が経済活動であり、付加価値提供の担い手である産業界が切磋琢磨(せっさたくま)して競い合う結果、世の中がより便利でもっと楽しくなって、私たち生活者の笑顔や幸せが増えることで、豊かな社会へと進化していく――それこそが経済成長なんだ。

長期投資の王道、でも性格はだいぶ違う

本物の長期投資とは経済活動の実際の担い手である産業界への資金提供を目的にする、と言ったよね。そして企業は経済活動に必要な資金の大半を株式と債券で調達しているわけだから、本物の長期投資における投資対象も株式と債券が王道になる、というわけなんだ。

同じ王道でも株式と債券はずいぶん性格が違う。債券は元本の返済と一定の金利収入が約束されているけど、株式はうまくいけば事業活動で得られる超過収益が期待できる半面、失敗したら事業不振による損失リスクも真っ先に負う。だから株式の値動きのブレは債券よりずっと大きくなるんだ。そして債券と株式は比較的逆の値動きをする傾向が強い。だから株式と債券を併せ持つ「バランス型」のポートフォリオを組めば、お互いの値動きを相殺してブレ幅が小さくなるんだ。この点も覚えておこう。

中野晴啓(なかの・はるひろ)

セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。
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