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きしやんさん、しっくり感を大切に(投信ブロガー)

ブログ「親が子に教えよう!お金と資産形成の世界☆」を運営する「きしやん」さんは、メーカーで研究開発に携わる30代半ばの男性会社員。専業主婦の妻と2人の子どもの4人家族で、熊本県の社宅住まいの生活をしている。

ブログでは、子育て世代が資産運用するうえで参考となるような情報発信を心がけ、自身も「資産運用は世帯全体で」という考え方から、投資商品など運用内容は半年に一度は家族で共有。子どもにもお金の意味を教えるなど日々の生活を通じた「経済教育」をしているという。きしやんさんの資産運用を聞いた。

読書嫌いの少年、投資関連の本の虫に

――投資を始めたきっかけは何ですか。

「たまたま読んだ本で『すぐ使う予定のないお金に働いてもらう』という考え方があるのを知り触発されました。投資信託を使ったインデックス運用なら自分にもできるかもしれないと思ったのがそもそものきっかけです。投資に出会ったのは偶然ですが幸運でした」

「会社で給料天引きの財形貯蓄をしていましたが、ちょうど子どもが生まれてから保険やお金についての意識が漠然と高まっていました。2017年の頃のことです。お金があることで避けられる不幸はあるだろうし、老後になって『若いうちにやっておけばよかった』と後悔しないよう、子どもが小さくまだお金があまりかからないうちに投資を始めてみようと決めました」

「投資の勉強も始めました。高校生の時には教科書の名作を読むたびにうとうとしていましたが、最近は投資関連本の読書三昧の日々です。様々な気づきや学びがあります」

「特に影響を受けた1冊を挙げるとすれば、ハワード・マークス著の『投資で一番大切な20の教え』でしょうか。『居心地の悪さをともなわない利益率の高い投資というのは、だいたいが矛盾した話』と学び、今回のコロナショックを受け投資金額を増やしました」

子供の教育費優先、資産配分は保守的

――資産配分はどのように考えていますか。

「金融資産の元手は自分の給料だけですが、家族全員の金融資産として主に生活費のための現金、子どもの教育費と生活防衛資金に充てる財形貯蓄と保険商品、リスク資産の3つに分けて管理しています(図A)。リスク資産は主に投資信託で、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)とDC(確定拠出年金)、特定口座で運用しています」

「子どもの教育費を確実に準備するのが最優先です。リスク資産は全体の3割程度にとどめる保守的な資産配分に徹しています。老後の生活資金は長く働けば何とかなるかもしれませんが、子どもの大学進学時期は決まっています」

気が休まる毎日積み立て

――投資しているのはどんなファンドですか。

「最初、バランス型のインデックスファンドを購入していましたが、自分で資産配分を考えるのが楽しくなり、バランス型ファンドは解約整理しました。今は、『世界の経済成長期待』を前提とし、夫婦の口座ではともに世界の株式に投資するインデックスファンドを中心に積み立て投資しています」

「特定の企業が未来も永続しているかどうかは分かりませんが、株式市場全体がなくなるとは想像できないからです。ただ運用内容に魅力を感じたので、アクティブファンドを最近、加えました(図B)」

「投資本で学んだ『最小分散投資』も試しています。米国の株式と国債相場、それぞれの動きにレバレッジをかけた海外ETF(上場投信)を少額購入しています」

――つみたてNISAはどう活用していますか。

「つみたてNISAは夫婦あわせて年80万円の非課税枠を可能な限り活用し、子どもへのお祝い金やお年玉などを足しにして、未成年者向けのジュニアNISAも運用しています」

「積み立て投資の頻度は、ETFとDCを除いて毎月ではなく『毎日』です。毎月積み立てと比較して得なのかどうかは分かりませんが、相場が大きく下落した日に『あの時買っておけば』と後悔したくないので、心理的に気が休まる手法として選択しています」

しっくり感が大切

――ブログを始めた動機を教えてください。

「お小遣いやお年玉は貯金して増やそうとだけ教えられてきた自分と違い、子どもたちは早い時期からリスクを取った資産形成の考え方になじんでいくのがいいと思うようになりました。学校での経済や投資の教育に頼るだけでなく、家庭でできる教えは自らでという考えです」

「子どもに教えるのなら、勉強して自分の考えを整理してアウトプットしておくのに限ると考えて、投資を開始した直後の2017年4月からブログを始めました」

――成功体験を感じていますか。

「まだ若い時に資産運用に出会えたこと自体が成功体験だと思っています。投資で多少失敗しても取り戻すための余裕時間があり、蓄えた知識で失敗の理由を考えるようにもなったことで、今後の人生設計も立てやすくなりました」

――投資に踏み出す若者、特に地方在住者に何かアドバイスはありますか。

「資産配分は保守的ですが、私は走りながら考えるタイプで、投資もトライ&エラーです。どれだけ勉強して知識を得ても正解はありません。若いうちは多少失敗しても損は収入で補えます。少額からでいいので、少しでも早く始めるのを勧めます」

「『投資はこうすべきだ』という考え方にとらわれる必要もありません。例えば、続けるのが苦痛なら休むのも構わないと思います。合理的かどうかで悩むのではなく、自分にとって『しっくり感』のある投資スタイルを見つければ、それで十分なのではないでしょうか」

「投資の仲間を見つけたいなら、地方でも開催されている『コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ』に参加してはどうでしょう。私は熊本の集まりの幹事役の一人です。最近はオンラインでの会も開きました。参加者は皆、楽しみながら投資に向き合っていることがよく分かります。交流の場を主催するのはやりがいがあり、楽しいです」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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