ネット販売で作家ら支援 富山県デザインセンター

北陸
富山
2020/7/15 9:45
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オンラインショップに出品する鉄の小皿を研磨する佐野政製作所の佐野秀充専務(富山県高岡市)=共同

オンラインショップに出品する鉄の小皿を研磨する佐野政製作所の佐野秀充専務(富山県高岡市)=共同

全国でも珍しいデザイン専門の公的機関「富山県総合デザインセンター」(高岡市)が、県内の伝統工芸品を販売するオンラインショップを開設した。新型コロナウイルスの影響で販路縮小に苦しむ作家や企業を支援するとともに、制作現場の動画やインタビューを掲載して工芸への関心を高めてもらう狙いだ。

センターは1999年に県が開所した。3Dプリンターなど高価な設備を作家らに安く貸し出すほか、全国のデザイナーと地元企業を仲介し、商品開発を後押ししている。

伝統工芸の復興も重要なテーマだ。江戸時代から続く高岡銅器(高岡市)や井波彫刻(南砺市)といった伝統工芸は長年、需要減少が続く。近年はセンターの努力もあり商品の洗練や多様化が進み、「アジア圏での人気は高まっている。全国の百貨店やセレクトショップにも県産製品が浸透してきた」とセンターの五十嵐瞳研究員(29)は手応えを感じる。

そうした工芸品の販路が新型コロナ禍で軒並み閉ざされた。金属製の仏具や小物を手作りする佐野政製作所(高岡市)では注文が半減し、6人いる職人の1人を1カ月休ませざるを得なくなった。新商品のPRもできず、佐野秀充専務(37)は「伝統工芸には必需品でないものも多い。いつ需要が戻るのか見通せない」とこぼす。

苦境を打開しようとセンターは5月末、県内9社と9作家が参加するオンラインショップ「越中富山 技のこわけ」を開設した。

主力の高級香炉や鉄瓶の注文が激減した四津川製作所(高岡市)は、真ちゅうと桜の木を合わせたぐい飲みを出品。四津川晋専務(54)は「在宅時間が増え、こだわった食器への需要は高まっている。これを機に関心を持ってほしい」と期待する。

ただ、五十嵐さんは「投げ売りはしたくない」と強調する。比較的手ごろな商品をそろえて間口を広げると同時に、工芸への理解を深めてもらおうと制作の様子や作り手へのインタビュー動画も準備。「(製品の)背景も伝えることで職人技を知ってもらい、販路拡大に貢献したい」と力を込めた。〔共同〕

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