ボルトン氏「香港自治、侵害防げたかもしれない」
トランプ氏を電話インタビューで批判

トランプ政権
米大統領選
2020/7/15 6:47 (2020/7/15 8:46更新)
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ボルトン前大統領補佐官はトランプ大統領の対中政策を批判した=ロイター

ボルトン前大統領補佐官はトランプ大統領の対中政策を批判した=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米国のボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が14日、日本経済新聞の電話インタビューに応じた。トランプ大統領が中国との関係で貿易問題を優先するあまり、「整合性がある一貫した対中政策はなかった」と語った。トランプ氏が11月の大統領選で再選を果たしたとしても「対中強硬姿勢が続くか分からない」とも述べた。

ボルトン氏は6月発売の著書でトランプ政権の内幕を描いた。同氏はインタビューで「トランプ氏は対中関係のほぼ全てを経済や貿易を通じてみていた。貿易政策も全く一貫性がなかった」と指摘した。その結果、香港や南シナ海など人権や安全保障に関わる「経済以外の課題を考慮するのが困難だった。議論することすらできなかった」と語った。

著書では、香港情勢に関し「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議デモが続いていた2019年6月にトランプ氏が「私は関わりたくない。米国も人権問題を抱えている」と述べ、香港問題に距離を置く立場をとったと明かしている。インタビューでは、香港問題で当時から強硬な姿勢を示していれば「(香港国家安全維持法の施行など)香港の自治の侵害は防げたかもしれない」と発言した。

国安法やウイグル問題を受け、いまトランプ氏が対中制裁に取り組むのは「何よりも新型コロナウイルスと関係がある。政治的に有益だから強くあたっている」とし、新型コロナ対応の不手際への批判をかわす狙いがあるとの見解を示した。

トランプ氏は18年6月にシンガポールで開かれた初の米朝首脳会談で、韓国との合同軍事演習の中止を側近にも相談せずに北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長に約束した。ボルトン氏はこの決定を「私なら再開する。中止したのは間違いだ」と断じた。「北朝鮮は中止の見返りを何も提供していない」と指摘した。

トランプ氏が米大統領選前に仕掛けるサプライズとして、「金正恩氏との4回目の会談の可能性はある」との見方を示した。

米ロ間の中距離核戦力(INF)廃棄条約を失効させ、新たな核軍縮交渉に中国の参加を求めたことについては「欧州だけでなくアジアなどでの中国の脅威を考慮に入れていた」と説明した。仮に中国がINF条約に署名していれば、「中国が保有する弾道ミサイルの3分の2はおそらく条約違反だ」と指摘し、同国の軍拡に懸念を示した。

トランプ氏が8月末にも米国で主催する主要7カ国(G7)首脳会議にロシアの復帰を唱えていることについてボルトン氏は「誤りだ」と反対を表明した。「大統領が決めてしまい、議論のしようがなかった」と明かした。

ボルトン氏は18年4月~19年9月にトランプ政権の外交・安全保障政策の司令塔となる大統領補佐官を務めた。北朝鮮への先制攻撃やイランの体制転換が持論のタカ派の論客として知られ、米朝対話などに否定的だった。トランプ氏とたびたび衝突し、最後はアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンとの和平協議を巡る対立により政権を離れたという。

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