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劇場再開で感染リスク露呈 都内でクラスター

(更新)
集団感染が起きた「新宿シアターモリエール」(14日、東京都新宿区)

東京・新宿の劇場で上演された舞台で起きた新型コロナウイルスの集団感染は、屋内イベントの感染対策の難しさを浮き彫りにした。開催制限の緩和を受け、業界は独自のガイドラインに基づいて再始動したばかり。濃厚接触者が異例の850人に上る中、都や関係者は対応に追われている。

クラスター(感染者集団)は、新宿区の劇場「新宿シアターモリエール」で発生した。西村康稔経済財政・再生相は14日の記者会見で「(出演者が)観客と握手やハグをしていたと聞く」と指摘。萩生田光一文部科学相も同日の閣議後の記者会見で「業界団体のガイドラインを逸脱していたのではないか。ガイドラインを守って安全な公演をしてほしい」と訴えた。

主催者のライズコミュニケーション(東京・渋谷)によると、観客らの感染は6月30日~7月5日に行われた「THE★JINRO イケメン人狼アイドルは誰だ!!」の12公演すべてで判明。都はこれまでに、都内在住者だけで計33人の感染を確認した。

所属事務所などによると、14日までに出演した俳優の榊原徹士さん(30)や山本裕典さん(32)、企画原案を担当し2公演を観劇した映画コメンテーターの有村昆さん(44)らも感染した。

同社によると、業界のガイドラインに沿って観客やスタッフの検温やマスク着用、手指の消毒などを徹底していたという。休憩中に換気も行い、体調不良だった出演者2人については体温がガイドラインの規定内だったり抗体検査で陰性だったりしたことから出演させたとしている。

演劇などの屋内イベントは安倍晋三首相が2月26日に自粛を要請した。5月25日に緊急事態宣言が全面解除され、都も6月1日から劇場の営業再開を認めた。収容率50%以内を守りつつ「再始動」の動きが本格化した。

各劇場が指針とするのが、全国公立文化施設協会(東京・中央)が5月に公表した感染予防ガイドラインだ。劇場側や主催者側に対し、前後左右を空けた席配置や出演者間で十分な間隔を取ることなどを明記。開演前の「入り待ち」やプレゼントの手渡しなど出演者と観客の接触も控えるよう求めた。

同協会の岸正人事務局次長は「新宿の件で劇場がすべて危ないとみられないよう原因を究明し、再発防止に取り組みたい」と話す。ガイドラインの順守を徹底してもクラスターが発生したことが分かれば、ガイドラインを見直す予定だという。

密閉空間で多くの観客が一定時間を過ごす劇場は、集団感染が発生した場合の影響が大きい。今回、保健所が濃厚接触者と判断した観客やスタッフらは約850人に上り、都外在住者も多く含まれているとみられる。

都は主催者が提出した観客やスタッフのリストに基づき、それぞれの居住地の保健所に調査を依頼している。あわせて劇場と主催者に再発防止策の提出を求め、提出がなければ同様の公演中止や施設の休業要請も検討する。ただ都の担当者は「主催者のスタッフの大半が入院、隔離されており、どんな状況であったのかなかなか全体像が見えない」と話す。

自治医科大の田村大輔准教授(感染症学)は「集団感染の社会的影響は大きく、観客側にも感染予防の自覚が求められる」と指摘。不特定多数の人が集まるイベントは常に感染リスクがつきまとうとした上で「出演者らとの接触を自重し、感染者が出た際の調査に積極的に協力するなどの姿勢が必要だ」と話している。

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