米「コロナ封鎖」再び、9州で営業規制 回復に遅れ

トランプ政権
2020/7/14 17:37 (2020/7/14 20:58更新)
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【ワシントン=鳳山太成】新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国で、行動規制を再び導入する動きが広がってきた。バーの営業停止などに踏み切ったのは9州に上り、経済規模で全米の4割弱を占める。感染者が増える他の地域も追随する公算は大きく、景気回復が遅れそうだ。

西部カリフォルニア州のニューサム知事は13日「我々は在宅命令の『修正モード』に戻る」と述べ、行動規制を再び強めると発表した。3月中旬に導入した全面的な制限に戻るわけではないが、5月上旬から順次再開してきた飲食店の店内利用やバー、映画館などを再び閉鎖する。大都市ロサンゼルスを含む感染の拡大地域ではジムや美容院も営業を止める。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、13日までにいったん緩めた行動制限を再び採用した州は9州に上る。カリフォルニアなど人口の上位3州に加え、中西部ミシガンや西部アリゾナなど大都市を抱える州が多い。南部フロリダや同テキサスは6月下旬、若者の集団感染が相次いでいるバーを再び閉鎖した。

再規制に動くのは、感染の拡大が急ピッチだからだ。カリフォルニアの1日当たり感染確認者(7日移動平均)は14日前に比べて49%増えた。テキサス、フロリダはそれぞれ67%、65%も上昇した。米疾病対策センター(CDC)が経済再開を進める条件の1つに挙げる「感染者が過去14日間で減少傾向」とはほど遠い状況だ。

カリフォルニアはバーの営業を再び停止する(1日)=AP

カリフォルニアはバーの営業を再び停止する(1日)=AP

感染者が増えれば医療体制も逼迫する。アリゾナやテキサス、フロリダでは1日当たりの新規死者数が7日移動平均でみると直近で50人を超えている。再規制が手遅れになれば事態悪化に歯止めがかからず、1州だけでフランスやスペインを超える約3万2千人の死者を出した東部ニューヨーク州のような事態になりかねない。

行動規制を再び導入すればサービス業を中心に経済への打撃は大きくなる。計9州の経済規模は米国内総生産(GDP)の37%を占める。持ち直しつつある個人消費がまた落ち込んだり、失業者が再び増えたりする恐れがある。

今後は再規制の動きが他の州にも広がるかが焦点となる。感染者が過去14日間でみて減っているのは北東部3州にすぎない。CDCは経済正常化の目安に「陽性率の10%以下」を求めるが、南部サウスカロライナや同ジョージアなど計12州は同基準を上回り、検査が追いついていない。

トランプ大統領は経済のV字回復を目指すため、連邦政府として行動規制の緩和を再び呼びかけることには否定的だ。一方、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「感染が急増した地域では再封鎖すべきだ」と各地方政府に求めている。

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