持続化給付金 申請代行に注意、SNSで不審な勧誘

2020/7/14 17:32 (2020/7/15 6:15更新)
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新型コロナウイルスの影響で減収した中小企業などに国が支給する持続化給付金を巡り、「申請書類の作成を請け負う」という不審な勧誘がSNSなどで増えている。スピード優先の審査の隙を突いて不正受給を狙うケースもあるとみられ、所管する中小企業庁が警戒している。

「代理人に頼めば会社員でも50万円受け取れる」。近畿地方の20代男性会社員は6月、友人から持続化給付金の申請を持ちかけられた。銀行口座とマイナンバーを代理人に伝え、受給金から謝礼を支払う形という。不審に思った男性は国民生活センターに相談した。

センターによると「代わりに申請する」など不審な勧誘を受けたという相談は、20~30代を中心に相次ぎ、14日までに677件に上った。主婦や無職、会社員など給付金の受給対象でない人が勧誘を受けたケースも少なくないという。

持続化給付金の支給対象外の人に向けて、申請書類を請け負うと勧誘するツイッター=一部画像処理しています

持続化給付金の支給対象外の人に向けて、申請書類を請け負うと勧誘するツイッター=一部画像処理しています

ツイッターには「無職、主婦限定。書類はこちらで準備します」などと誘いをかける投稿が並んでいる。手数料は支給された給付金から支払わせ、数十万円を要求するケースもあるとみられる。

中小企業庁によると、申請を巡り身近な人の支援を受けるのは問題ない。ただ行政書士法で官公庁への提出書類の代行作成を有償で担うのは行政書士に限定されており、無資格者が有償で書類を作るのは違法行為に当たる。また虚偽の申請で受給した場合は詐欺罪に問われる可能性もある。

給付金の支給はスピードが求められ、審査手続きは簡便だ。同庁担当者は「膨大な申請に迅速に応じるために、書類の内容を信頼して支給するのが前提だ」と話す。

不正受給が判明した場合は、支給額に延滞金(年3%)を加えた額に、さらに2割を上乗せした金額を求める。同庁は「調査して悪質な事案があった場合は刑事告訴も検討する」と警戒する。

 上智大の伊藤渉教授(刑法)は「虚偽の申請書類の作成に自ら関わっていなくても、不正に受給した場合は詐欺罪に問われる可能性が極めて高い。新型コロナの混乱に乗じた悪質な手法の疑いがあり、勧誘に応じるべきではない」と指摘する。
持続化給付金 新型コロナウイルスの影響で売り上げが50%以上減った事業者を対象に、国が支払う給付金。資本金10億円以上の大企業を除く中小企業などが対象で、法人は200万円、個人事業主やフリーランスは100万円を上限として支給する。オンラインで確定申告書類や売り上げ台帳、身分証の写しなどをアップロードして申請する仕組みで、国は最大300万件の申請を見込んでいる。
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