最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 23,539.10 +27.48
日経平均先物(円)
大取,20/12月 ※
23,520 +230

[PR]

投信コラム

フォローする

「社会課題」に向き合うファンド
話題の投信

2020/7/16 12:00
保存
共有
印刷
その他

大和アセットマネジメントが運用する「社会課題解決応援ファンド(愛称:笑顔のかけはし)」は、コロナ禍でも好成績が目立っている。3月に大きく値下がりした基準価格は、その後に急回復。6月にはコロナショック前の水準を上回り、運用を始めた2018年12月以降の最高値を更新した。

■「社会課題を解決する企業」に投資

「笑顔のかけはし」の投資対象は、社会課題の解決を通じて成長が期待される国内企業の株式。日本の社会が抱える課題の中から複数の投資テーマを選び、ビジネスとしてその課題の解決に取り組む企業を投資候補にする。投資テーマは課題の大小を問わず、社会情勢の変化を勘案しながら適宜見直す。

運用を担当するのは、「女性活躍応援ファンド(愛称:椿)」も手掛ける椎名諒ファンドマネージャーだ。「笑顔のかけはし」は椎名氏が自ら企画し、社内の試行的な「パイロットファンド」から始まったという成り立ちからして珍しい。

きっかけは2011年の東日本大震災までさかのぼる。椎名氏は当時「自分に何ができるだろう」と考え、社会の尽きない課題や心配事に関心を持ち始めた。その後も世の中を良くしようと頑張る企業経営者らとのワクワクするような対話を通じて、「社会課題を解決する企業が成長する」と確信。人々の困りごとに立ち向かう企業を応援しながら、投資家に良いパフォーマンスを届けたいという思いでこのファンドを立ち上げた。

■コロナ禍では「社会貢献」で優劣見極め

「きれいごとでパフォーマンスは上がらないのでは」といった懸念には運用実績でこたえており、ファンドの基本戦略に基づいたポートフォリオが成果に結びついている。組み入れ銘柄は成長余地の大きい中小型株が大半を占め、その中核をなすのは持続的な成長が期待される「安定成長株」。そこに短期間で急成長が見込まれる「大化け株」も組み入れる。どちらのタイプも「社会課題」に注目することで見つけやすくなり、それぞれの成長性や投資価値を見極めるポイントにもなる。

新型コロナウイルス感染が広がるなかでの投資判断も独特だった。厳しい環境にどう対応したかで企業間の優劣がつきやすいと考え、平常に戻った時の「勝ち組」を見極めることに集中。特に注目したのは、業績が落ち込む局面でも従業員の待遇を落とさないことや、非常時に社会で必要なサービスを無償で提供することなど「社会貢献」の側面だった。苦しい時の企業行動が信用力やブランド価値を高め、本業での長期的な競争力向上につながるとみるからだ。

■危機時に普及する分野に注目

コロナ禍の影響を踏まえ、ここから最重視する投資テーマは(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)、(2)働き方改革、(3)中小企業支援――の3つ。待ったなしの社会課題を解決することで伸びる企業や、危機にこそ普及していくサービスなどに注目し、ピンチをチャンスに変えられる潜在的な急成長銘柄の発掘を目指す。

6月末時点の組み入れ銘柄は106銘柄で、上位には電子契約サービスを手掛け、在宅勤務の壁となる日本のハンコ文化を解決するGMOクラウドやネットワーク構築やクラウドサービスの提供で働きやすい環境の整備を支援するNECネッツエスアイを組み入れている。

■投資家に「共感」求める

「運用方針に共感する人にこのファンドを購入してほしい」(椎名氏)という思いは、月次リポートや不定期で配信するファンドレターに垣間見える。パフォーマンスや組み入れ銘柄の紹介だけでなく、投資テーマなどに対する運用担当者の考えなどを詳しく記載。これほど熱のこもったメッセージを発信するファンドはそう多くない。

投資家に共感を求める理由は、多くの人に社会課題に対する関心を持ってほしいから。投資テーマの背景にある社会課題に光を当て、解決のプロセスを投資家に肌で感じてもらうことも、このファンドの狙いの一つだ。より良い社会の実現に向け、企業と投資家をつなぐ新たな仕組みがつくれるか、「笑顔のかけはし」の挑戦が注目される。

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

投信コラムをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム