米半導体ADI、同業マキシムを2.2兆円で買収

2020/7/13 23:57 (2020/7/14 5:39更新)
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半導体各社はデジタル分野での需要取り込みを急ぐ

半導体各社はデジタル分野での需要取り込みを急ぐ

【ニューヨーク=中山修志、シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手アナログ・デバイセズ(ADI)は13日、同業の米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツを買収すると発表した。株式交換による買収額は209億ドル(約2兆2千億円)で、自動車や通信分野の事業基盤を広げる。2020年のM&A(合併・買収)としては最大規模となる。

マキシムの1株に対しADIの0.63株を割り当てる。買収額はマキシム株の10日終値を22%上回る水準で、21年夏をめどに手続きを終える計画だ。新型コロナウイルスの影響で経済の不透明感が強まっているため、現金流出を抑えられる株式交換の手法を選んだ。

ADIとマキシムはともに電源管理や信号処理に使う「アナログ半導体」を手掛け、調査会社ICインサイツによれば同分野の事業規模で世界2位と7位。19年度(18年10月~19年9月期)の売上高は合わせて82億ドルにのぼる。統合を通じて技術者を1万人強に増やし、年15億ドルを研究開発に投じてアナログ半導体で首位のテキサス・インスツルメンツ(TI)に対抗する。

ADIのヴィンセント・ロウチ最高経営責任者(CEO)は13日の記者会見で「マキシムは自動車やデータセンターといった戦略分野に的を絞っており、ADIの製品群を補完できる」と話した。ADIは産業機器や音響向けのアナログ半導体で高いシェアを持つが、自動車向けは手薄だった。

規模の拡大が競争力につながる半導体は歴史的に再編を繰り返してきた産業だ。ただ近年は、18年に米政府が当時シンガポールに本社を置いていたブロードコムによる米クアルコムの買収中止を命令。米クアルコムによる蘭NXPセミコンダクターズの買収計画は中国当局の承認を得られず頓挫した。先端技術が少数の企業に集中することへの懸念から、業界大手による巨大再編は難しくなっている。

そのため、半導体のM&Aの主役は中堅企業に移っている。19年には日本のルネサスエレクトロニクスが1兆円超を投じて米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を買収。20年には独インフィニオンテクノロジーズが米サイプレスセミコンダクタを傘下に収めた。ADIは17年にも同業のリニア・テクノロジーを買収している。

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