1~6月ビール系飲料販売、飲食休業で前年比1割減

2020/7/13 19:34
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ビール大手4社による1~6月のビール系飲料の販売量は前年同期に比べて1割減少した。新型コロナウイルスで飲食店の休業や営業時間の短縮が広がり、ビールの販売が減ったことが主な要因。一方で「巣ごもり消費」が第三のビールを伸ばし、上半期として初めてビールを抜いた。節約志向や健康志向、ネット通販での購入など、消費行動の変化も鮮明だ。

「第三のビール」の販売が伸びている(首都圏のスーパー)

内訳をみるとビールが26%、発泡酒は1%減ったのに対して第三のビールは6%増えた。販売構成比では第三が49%、発泡酒が13%、ビールが38%となり、第三がビールを逆転した。

コロナ禍で節約志向には拍車が掛かっている。第三のビールはキリンビールが8%増、サッポロビールは35%増と、それぞれ市場を上回る伸びだった。外出自粛が影響し、自宅からパソコンやスマートフォンで第三のビールをケース単位で購入する動きが目立った。

発泡酒も1%減にとどまった。運動不足を背景に、健康を気遣う消費者が糖質を減らした商品に手を伸ばした。アサヒビールの「スタイルフリー」が5%増え、キリンビールも「淡麗グリーンラベル」が3%増えた。

4社がそろって販売を減らすなか、キリンは最も影響を受けずに前年同期比4%減にとどまった。布施孝之社長は「主力ブランドへの集中投資など、消費者を基軸とした戦略に取り組んできたことが、環境の変化に対応できた」と話す。「本麒麟」が16カ月連続で前年同月実績を上回るなど好調が続き、年間販売計画は36%増の2050万ケース(633ミリリットル20本換算)に上方修正した。

対照的に苦戦を強いられたのがアサヒで、販売額が17%減った。飲食店向けの比率が5割弱と高い「スーパードライ」の販売量が26%減ったことが大きい。19年時点でビールの販売量構成比が6割と高く、内訳もドライが大半を占める。利益率が高いビールに経営資源を集中してきたことが苦戦につながっている。

サントリーも11%減だった。家庭向け第三のビールの主力「金麦」ブランドは前年並みだったが、ビールが34%減った。サッポロビールはビールの「黒ラベル」や「エビス」が販売減となる一方で、2月に発売した「GOLD STAR」の投入効果が出ていた。

6月に入ると飲食店の営業が再開し、4社のビール系飲料の販売量は5%減、ビールが19%減とマイナス幅が小さくなった。健康志向の高まりで発泡酒は2%増え、節約志向で第三のビールは11%増となっている。

今後の酒税改正で第三のビールは増税になるが、マイナス影響は小さいとの見方も広がってきた。布施社長は「10%は落ちるかと思っていたが、そこまでは落ちないだろう」と話している。

(後藤健)

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