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強打のDeNA、新「マシンガン打線」で頂点狙う

2020/7/14 3:00
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開幕から3週間が経過し、対戦カードは2巡目に入ったプロ野球。得点力不足に悩むチームもあるなか、前評判を上回る破壊力を見せつけているのがDeNA打線だ。チーム打率は一時3割を超えた。一度打ち出すと止まらない「マシンガン打線」を売り物に日本一に輝いてから22年。再び打撃力に物を言わせて頂点をつかみ取れるか。(記録は7月13日現在)

「1番から6番は理想のラインアップ。相手にかなりの恐怖を与えるはずだ」。DeNAのアレックス・ラミレス監督は自信たっぷりだ。開幕から1番には梶谷隆幸が座り、2年連続本塁打王のネフタリ・ソト、4番には新主将の佐野恵太を置き、ホセ・ロペスと宮崎敏郎という実績十分の強打者で仕上げる。3番として機能していた新外国人タイラー・オースティンが右手のけがで13日に選手登録を外れたのは痛いが、全員に一発があり、相手投手からすれば一瞬たりとも気を抜けない。

強力打線の一角を担うオースティン。早期の復帰が待たれる=共同

強力打線の一角を担うオースティン。早期の復帰が待たれる=共同

この上位打線がまさに「令和のマシンガン」として集中打を浴びせたのが6月25日の中日戦だった。三回、先頭の梶谷が中前打でスイッチを入れると、ソトは初球を右越えにはじき返す。オースティンは凡退したが、佐野の左越え二塁打に宮崎の中越え打と畳みかけて3得点。各打者ともじっくりとカウントが整うまで球を見定めるのではなく、最初のストライクから積極的にバットを強振する。対峙していた中日の新人・岡野祐一郎はDeNA打線の勢いに完全にのみ込まれた。

「(昨季から)1人が抜けたが2人が入り、穴を埋める以上の活躍をしている」とラミレス監督。抜けた1人とは米大リーグ・レイズに移籍した筒香嘉智。長年チームの中軸を担ってきた看板打者の流出がさぞかし戦力ダウンになるかと思いきや、シーズンの滑り出しでは「新顔」のオースティンと佐野が十分に機能した。

オースティンは大リーグ・ヤンキースなどでキャリアを積んできた28歳。本拠地・横浜スタジアムでの練習試合で場外弾を放つなどパワーは折り紙つき。ただ、長打を狙って力任せにバットを振り回すタイプではなく「水平方向に強い打球を心掛けている」と繰り返す。新型コロナウイルスの影響で日本人投手との実戦経験が少ないまま公式戦が始まったが、高い適応力を示した。

開幕カードを含めてここまで、コンディション不良による欠場が目立つのが不安要素。シーズンを通して出場できれば安定した打棒を発揮しそうで、一日も早い復帰が待たれる。

筒香から左翼の定位置と主将を引き継いだ佐野も上出来だろう。昨季は主に対右投手の代打の切り札だったが、今季は開幕から9試合連続安打を放つなど結果を出し続けている。本塁打こそまだないが、打率はリーグ7位の3割5分1厘をマークし、「前後を素晴らしい打者に挟まれているので、走者が塁にいればかえしたい」と必要以上に気負うところはない。打線の「つなぎ目」の役割を見事に果たしている。

新4番の佐野は打線の「つなぎ目」の役割を果たしている=共同

新4番の佐野は打線の「つなぎ目」の役割を果たしている=共同

強打者を並べた上位打線には大量点につなげる破壊力がある半面、細かな機動力は使いにくい。盗塁は3個のみで、犠打はリーグ最少の5。ラミレス監督は「あまり走者を動かすと打者の集中力に影響することもある。梶谷と大和以外に走れる選手がいるかというといないし、無理して走る必要ない」と意に介さないが、強攻策に頼る攻撃は、単調で効率の悪いものになる危険をはらんでいる。

振り返ると鈴木尚典やロバート・ローズ、駒田徳広らを擁した1998年もチーム打率は2割7分7厘と高かったが、犠打はリーグ最少の68、併殺打はリーグワーストの114を記録した。機動力よりも個々の打力を信じて任せるというチームカラーは22年前と似通う。

やはりマシンガン打線の再来とはやし立てたくなるところだが、ラミレス監督は自慢の打線を「HOPE TO VICTORY打線」と命名している。その心は「この打線には勝つための希望が満ちあふれている」から。現状、投手陣にはやや不安を抱えており、どうしても打ち勝つ展開が多い。ラミレス監督によるネーミングが浸透するかどうかは分からないが、球団名がDeNAとなってから初のリーグ優勝(VICTORY)をつかむためにも、強力打線が打ち続けるしかないだろう。

(木村慧)

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