岡井隆さん 安住と闘った戦後短歌の巨人
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「どうして今の歌人は詩や俳句の新しい動きに無関心なのだろう」。岡井隆さんが語ったその言葉が、今も忘れられない。すでに80歳を超え、宮中歌会始の選者を長く務めていたが、この大歌人の知的関心はとどまるところを知らなかった。文学、哲学、自然科学と広がる膨大な読書は80代後半まで執筆が続いた数々の詩歌評論の背骨となった。結社の中に安住する停滞と、身をもって闘い続けた人だった。
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