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トルコ、欧米離れ加速 世界遺産「アヤソフィア」をモスクに

【イスタンブール=木寺もも子】トルコは10日、世界遺産の旧大聖堂で博物館のアヤソフィアを、イスラム教の礼拝の場であるモスク(礼拝所)に変更することを決めた。非宗教的な博物館からモスクへの改装は、エルドアン大統領が進める政教分離政策の見直しを象徴しており、欧米社会との距離が開きかねない。

エルドアン大統領は10日の演説で「アヤソフィアをどう使うかは我々の主権(の問題)だ」と述べた。アヤソフィアを博物館とする1934年の内閣決定を無効とする同日の司法判決を受け、ただちに再モスク化を発表した。ただイスラム教徒以外にも開放は続ける。

アヤソフィアはキリスト教大聖堂として建設され、15世紀にコンスタンティノープル(現イスタンブール)を征服したオスマン帝国がモスクに改装した。これを共和国建国の父アタチュルクが政教分離政策にもとづき、宗教的に中立な博物館としていた。

オスマン帝国の栄光へのあこがれを隠さないエルドアン政権は、アタチュルク派の軍やエリート層が進めた厳格な政教分離政策や親欧米外交から転換し、これまでも欧米とあつれきを生じさせてきた。

欧州連合(EU)や米国は10日、アヤソフィアのモスク化にそろって遺憾や失望の意を表明した。

米シンクタンク、ワシントン近東政策研究所のソネル・チャアプタイ氏は「トルコの国際的評価は大きな打撃を受けかねない」と指摘する。西側の一員として加盟する北大西洋条約機構(NATO)の結束や、EUへの査証(ビザ)なし渡航交渉などの外交問題に影響を与える可能性がある。

司法の独立性にも疑問が残る。判決は、アヤソフィアを博物館とすると定めた過去の内閣決定が、メフメト2世が作ったアヤソフィアの管理基金の設立規約で定める「恒久的なモスク化」に反する点を問題視した。アトゥルム大のメティン・ギュンダイ教授(行政法)は「法的にも、過去の判例に照らしてもあり得ない判決だ」と批判する。

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