シンガポール、コロナ下の選挙、異例ずくめ

東南アジア
2020/7/11 11:17
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【シンガポール=谷繭子】10日に投開票が行われたシンガポールの総選挙は、新型コロナウイルスの感染対策で投票に時間がかかり、投票終了時刻を急きょ2時間延長するハプニングがあった。リー・シェンロン首相は11日未明の記者会見で「改善の余地があった」と不手際を認めた。選挙運動でも感染防止に集会を禁止するなど、異例ずくめの選挙は、投票当日まで混乱した。

マスクをして投票所に並ぶシンガポールの有権者=ロイター

「すべての有権者が投票できるよう、投票終了時刻を午後8時から10時まで延長する」。政府選挙局がこんな異例の発表をしたのは午後6時すぎだ。一部の投票所の周囲にはまだ長蛇の列が続いていた。7時以降は海外からの帰国者や発熱など高リスクの有権者専門の特別枠にしていたため、一般の人との隔離など対応に追われた。

選挙局は投票所での感染を抑えるため、投票時間を区切って高齢者を優先し、アプリで待ち時間を検索できるようにするなど工夫した。体温検査や消毒など不慣れな手続きが増えたせいで円滑に進まない投票所もあった。当初全員に提供していた使い捨て手袋は、着脱が手間取るとして途中で配布をやめた。

コロナが沈静化する前に選挙を実施することには「感染リスクを上げ、政府が対策に専念できなくなる」として野党は反対していた。リー首相は今後必要な感染症対策や経済回復を断行するため「国民の強い信任が必要だ」として選挙に踏み切った。

選挙運動はネット中心で、演説会で直接有権者に訴える機会がなかった。認知度の低い野党には不利とされたが、結果は野党労働党が議席数を4席延ばした。

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