NYダウ反発369ドル高 コロナ治療薬の進展期待で
【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比369ドル21セント(1.4%)高の2万6075ドル30セントで終えた。新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの研究開発の進展を示す発表や報道が相次ぎ、投資家心理が改善した。

バイオ製薬のギリアド・サイエンシズが10日、コロナ治療薬「レムデシビル」を重症患者に投与した臨床試験で死亡率が62%低下し、症状も改善したと発表した。同日、製薬のファイザーとワクチン開発で提携する独バイオ企業のバイオファーマシューティカル・ニュー・テクノロジーズは米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に対し、ワクチンを年内に承認申請する見通しを示した。
治療薬やワクチンが実用化されれば経済活動の正常化に近づくとの期待が強まり、最近下げ基調にあった景気敏感株が買い直された。空運株やクルーズ船株が上昇し、化学のダウや航空機のボーイングも買われた。シェブロンなどの石油株の上昇も目立った。
金融株が大きく上昇し、JPモルガン・チェースは5%高、ゴールドマン・サックスは4%高となった。来週の決算発表を控え、一部の投資家が売り持ちの整理に動いたとの見方があった。
ダウ平均は午前中に小幅安となる場面もあった。米国のコロナの新規感染者数が9日に6万3000人強と過去最多となり、フロリダ州やテキサス州では死者数も過去最多だった。景気への影響を懸念した売りが出た。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同69.69ポイント(0.7%)高の1万0617.44と3日続けて過去最高値を更新した。電気自動車(EV)のテスラや動画配信のネットフリックスなどが買われ、指数を押し上げた。ソフトウエアのマイクロソフトと半導体のエヌビディアは利益確定売りで小幅に下げた。
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