世界の新規感染者、過去最多の22.7万人 米で拡大続く

【サンパウロ=外山尚之、ニューヨーク=清水石珠実】米ジョンズ・ホプキンス大によると、新型コロナウイルスの世界の新規感染者は9日集計分で約22万7千人と過去最多となった。米国では一部の州で増加が続き、インドや南アフリカなど新興国では1日あたりの記録を更新した。
9日の感染者は7月1日に記録した21万6千人を上回った。感染拡大の傾向をみる7日移動平均でも20万人弱と、右肩上がりで増えている。
米国の感染状況を調べた「COVIDトラッキングプロジェクト」の集計では、米東部時間10日午後6時時点で米の10日の新規感染者は6万6645人と過去最多だった。南部フロリダ州やテキサス州などでは死亡者が増え始め、米メディアによると両州の9日の死者数は100人を超え最多となった。
西部カリフォルニア州では149人が死亡し、ニューサム知事は「最近になって新型コロナに感染した人は死亡していないという通説は誤解だ」と警告した。テキサス州やアリゾナ州の一部で入院患者が増え、医療機関が逼迫する懸念もある。
ボルソナロ大統領の感染が判明したブラジルでも、新規感染者が3日連続で4万人を上回った。サンパウロやリオデジャネイロでは7月に入り飲食店などの営業規制が段階的に解除された。リオではバーに客が詰めかけ、感染拡大が懸念されている。

新興国ではインドが2万6千人、南アフリカが1万3千人、メキシコが7千人と、それぞれ1日あたりの最多を更新した。米国や多くの新興国では第1波を収束させないまま経済再開を急いだことが裏目に出たとの見方が多い。
世界保健機関(WHO)は拙速な経済再開は状況を悪化させると警告する。ただ経済低迷により外出制限の継続は政治的に難しい国も多い。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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