世界の車大手、CATLに接近 電池「供給枠」争奪

2020/7/10 22:42
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【広州=川上尚志】ホンダが車載電池の世界大手、中国・寧徳時代新能源科技(CATL)との資本提携を決めた背景には、市場拡大が見込まれる電気自動車(EV)用の電池調達を巡る激しい争奪戦がある。世界の自動車大手が供給能力を高めるCATLに接近。電池の「供給枠」を奪い合う構図だ。

2011年に創業したCATLは、世界最大のEV市場である中国を足場に急成長を果たしてきた。車載用リチウムイオン電池の出荷量は19年に32.5ギガワット時。韓国の調査会社SNEリサーチによると世界シェアは28%で首位だ。

2月には最大260億元(約4千億円)を投じて電池の生産能力を従来の4倍程度に拡大すると発表、中国内で複数の電池の生産拠点を拡張・新設する計画だ。

自動車各社にとっては供給能力を急ピッチで拡大するCATLは、格好の安定調達先だ。特にEV市場が拡大する中国では、欧米や日本を含む自動車各社が現地生産車向けの電池調達ニーズが強まっている。

実際、CATLは上海汽車集団など中国の地場メーカーのみならず、この数年でトヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)など世界大手に供給先を広げてきた。CATL製電池の品質は「パナソニックなど日本製の電池に劣る面はあるが、着実に追い上げている」(自動車業界のアナリスト)との指摘もある。

ただ、供給能力の拡大を急ぐCATLでも「自動車各社の需要に応えるには不十分」(業界関係者)とされる。自動車各社によるCATL製電池の争奪戦が繰り広げられるなかで、ホンダは関係強化を狙って出資に踏み込んだ。

自動車産業では自動車メーカーを頂点に部品メーカーが連なる構図が長く続いてきた。今回のホンダのCATLへの出資は、そんな業界内での「主従」が逆転し始めたことを象徴しているともいえそうだ。

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