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静岡知事、国提案も拒否 リニア工事巡り次官と会談

2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の静岡工区未着工問題を巡り、国土交通省の藤田耕三事務次官は10日、静岡県の川勝平太知事と県庁で会談した。藤田次官は準備工事の許可を要請したが、川勝知事は大井川の流量減少を懸念する流域市町の主張を理由に、改めて容認できない意向を伝えた。

藤田次官は「水が大事だと理解した上で、影響が軽微な範囲で整備を進めることができないか」と提案。それに対し川勝知事は「(準備工事は)本体工事と一体と見なすのが流域全体の考え方だ」と指摘し、拒否した。

静岡県内の準備工事を巡っては6月26日に川勝知事とJR東海の金子慎社長が会談したが、平行線のまま終わった。

開業延期が不可避となった状況を打開しようと国交省は9日、静岡県に環境への影響が軽微と認められる範囲内での準備工事の再開容認を提案。7月中の早い時期に必要な手続きを進めるよう促した。一方のJR東海に対しても、国の有識者会議での環境評価などの議論が終わるまでトンネル本体の掘削工事に着手しないことを求めた。

しかし、川勝知事はこの日の次官との会談でも「水資源に影響が出ないとの結論が出る前の着手は認められない」(柳沢重夫・御前崎市長)などといった流域市町の慎重論を背景に「(準備工事を認めると)本体工事につながる既成事実を作ることになる」と重ねて強調した。

リニアは総工費が品川―名古屋間で約5.5兆円、大阪までを含めると約9兆円で、うち3兆円は政府が財政投融資として貸し付けている巨額のプロジェクト。沿線から開業延期による再開発への影響を懸念する声が出るのは必至で、JRは時間との闘いを強いられる。

今後、静岡工区着工を巡る舞台は、再び国の有識者会議に移るが、問題の長期化は避けられそうもない。仮に結論が出ても静岡県が従う法的義務はない。「国の会議は水の専門家が中心で、生態系への影響は別の有識者で議論すべきだ」(県幹部)との意見もある。

JR東海は開業を延期する場合、工事実施計画の変更を申請し、国交省の認可を得なければならない。工事実施計画には新たな開業予定時期を盛り込む必要がある。

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