楽天モバイルに行政指導 周波数の無断変更巡り

2020/7/10 20:13 (2020/7/11 23:31更新)
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社会インフラとしての通信事業で問題が相次ぎ、消費者の不信感を招く恐れがある(2019年、「楽天ミニ」を手に記者会見する楽天の三木谷浩史会長兼社長)

社会インフラとしての通信事業で問題が相次ぎ、消費者の不信感を招く恐れがある(2019年、「楽天ミニ」を手に記者会見する楽天の三木谷浩史会長兼社長)

総務省は10日、楽天モバイルに対し、同社がスマートフォンの対応周波数の一部を無断で変更するなど電波法に違反したとして行政指導した。楽天モバイルの携帯事業に対する行政指導は5度目。同社は法令順守の徹底など再発防止策を提出した。社会インフラとしての通信事業で問題が相次ぐことで、消費者の不信感を招く恐れがある。

総務省によると、楽天モバイルが独自開発した小型スマホ「楽天ミニ」は、対応する周波数が異なる3種類の端末がある。企業がスマホを発売する際には電波法が定める認証番号の取得が必要になる。

楽天モバイルは1月発売の「初代」に、3月発売の「2代目」向けに取得した認証番号を表示。5月に発売した「3代目」についても、認証を受けた時点で利用するとしていた周波数を削り、米国でつながりやすい周波数を無断で追加した。

総務省はこれらが電波法に違反すると認定。端末が3種類あることなどについて、消費者に説明しなかったことも問題視した。同省担当者は「法令順守の意識が楽天モバイル社内に浸透しておらず、人材も不足していた」と説明する。

楽天モバイルは「事業体制を見直し再発防止策を徹底する」とコメントした。法令順守の徹底やマニュアル整備、チェック体制の整備といった防止策を総務省に提出。同省は12月末まで、再発防止の取り組み状況を毎月報告するよう求めた。

NTTドコモなど大手3社の寡占が続く携帯電話業界に、国は料金値下げを促してきた。楽天は2017年に携帯事業への参入を表明。18年に総務省が認可し「第4の通信キャリア」として値下げの旗振り役として期待されたが、19年に入ると基地局整備の遅れについて楽天モバイルは3度の行政指導を受けた。試験サービスでも通信障害が起き行政指導された。

携帯の商用サービスを始めた今年4月の出足は鈍かったが、6月末には契約の申込数が100万回線を突破。初年度に300万人以上の顧客獲得を目指し、約3カ月で3分の1に達した。月2980円で自社回線エリアのデータ通信、独自アプリによる国内通話を無料で使い放題にし、安さを求める消費者を狙う。

携帯参入表明からわずか2年強で認可取得、東名阪での基地局整備、商用サービスにこぎ着けた。しかし、公共の電波を使う事業での行政指導が続けば、消費者の信頼を失いかねない。

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