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G大阪・遠藤、J1出場歴代単独1位の金字塔

2020/7/11 3:00
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「王貞治の756号本塁打を球場で目撃した」「辰吉丈一郎と薬師寺保栄の激闘を会場で見た」――。スポーツファンにとって、歴史に残る名場面をじかに見た経験は生涯の財産だ。選手の躍動感に会場の熱気、うたげの後に心を満たした充実感と一抹の寂しさ。それら全てが一つのパッケージになり、自らの記憶に彩りをもたらす。

4日のC大阪戦でJ1最多出場記録を更新したG大阪の遠藤。「(自身は)チームの駒にすぎない」と言い切り、若手とのポジション争いに全力で立ち向かう=共同

4日のC大阪戦でJ1最多出場記録を更新したG大阪の遠藤。「(自身は)チームの駒にすぎない」と言い切り、若手とのポジション争いに全力で立ち向かう=共同

新型コロナウイルス禍で4カ月超の中断を強いられたサッカーのJ1が7月4日に再開、G大阪の遠藤保仁がC大阪戦(パナソニックスタジアム吹田)でJ1歴代単独1位となる632試合出場を達成した。ただ、試合は感染拡大防止を目的に無観客で開催。G大阪のサポーターは、無念にもこの偉業をスタジアムで目撃する機会を逸した。

遠藤のプレーはといえば、長期間のブランクや40歳の年齢を感じさせない、いつも通りの落ち着きぶり。選手交代の関係でアンカーにボランチとポジションが変わっても、中盤を締める役割に変わりはなく、54分にベンチに下がるまで攻撃の組み立ての役割を担い続けた。

試合は1-2で敗れた。本拠地での大阪ダービーとなれば、本来なら大挙したサポーターの大声援の後押しを受けるG大阪が圧倒的優位に立つが、無観客によりアドバンテージは霧消。遠藤は「難しい部分が色々あったのでは」と語った。

横浜F(現横浜M)時代の1998年にJリーグ初出場。その年に同僚だった楢崎正剛を抜いての新記録達成に喜びもひとしおだ。京都を経て2001年からG大阪に所属し、Jリーグでのプレーは今季で23年目。長く第一線で活躍できている要因を「けがが少ないのが一つあると思うし、試合に出てコンディションが落ちるのを極力避けていたのはある」と説明する。自身が全力を出すところ、味方を生かすところと、状況に応じてプレーを選択することがエンジンの空ぶかしを防ぎ、耐用年数を延ばすことにつながった。

「(自身は)チームの駒にすぎない」と言い切る。これだけの選手が現状に甘んじず、どの試合も「先発で出たい」とまずはチーム内の競争に全身全霊をささげる。この情熱が今なお老け込まずにいるゆえんだ。

新記録達成をサポーターとともに祝えなかった無念は遠藤も同じ。それでも「(あくまで)632分の1。ここまで積み重ねてきたものは何も消えない。これも一つの経験としてうまく取り込んでできれば」。画面を通して見守る人たちの思いをくんでプレーしたことを思えば、彼らもれっきとした「歴史の目撃者」といえるのだろう。

(合六謙二)

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