日本人飛行士の月面着陸に道 日米、探査協力で共同宣言

2020/7/10 10:13
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月周回ステーション「ゲートウエー」(右)と日本の新型無人補給機「HTV-X」(イメージ図)=JAXA提供

月周回ステーション「ゲートウエー」(右)と日本の新型無人補給機「HTV-X」(イメージ図)=JAXA提供

文部科学省と米航空宇宙局(NASA)は10日、米国が主導する月探査計画に日本が協力するとの共同宣言に署名した。将来の日本人飛行士の月面着陸の可能性に道を開く内容だ。

萩生田光一文科相とブライデンスタインNASA長官がオンラインで会談し、署名した。

米国は2024年までに再び米国人宇宙飛行士の月面着陸を目指す「アルテミス計画」を掲げる。月探査や将来の火星探査の拠点として、月を回る軌道に宇宙ステーション「ゲートウエー」の建設を計画する。

日本は19年10月、米国の月探査計画への参加方針を表明し、具体的な技術協力の内容について協議してきた。共同宣言では、日本が地球を周回する国際宇宙ステーション(ISS)の経験を生かしてゲートウエーの機器などを提供するほか、新型の無人補給機「HTV-X」を使った物資補給も検討する。

政府は日本人飛行士がゲートウエーに滞在したり、月面に着陸したりする機会の確保を目指している。文科省は共同宣言によって「日本人飛行士の活動機会の見通しが得られた」と話す。具体的な活動については今後詳細を詰める。

オンラインで会談し、月探査協力の共同宣言に署名した萩生田文科相(右)とブライデンスタインNASA長官(10日、文科省)=代表撮影

オンラインで会談し、月探査協力の共同宣言に署名した萩生田文科相(右)とブライデンスタインNASA長官(10日、文科省)=代表撮影

日本は現在、ISSに年間約300億~400億円を投じている。地球からの距離がISSの約1000倍遠いゲートウエーの費用負担はこれを上回りそうだ。

ゲートウエーはISSの国際協力の枠組みを引き継ぎ、日本のほか、欧州やカナダも参加を表明している。日本はISSの実験棟「きぼう」の技術を応用し、ゲートウエーの「ミニ居住棟」に電源機器などを提供する。

ミニ居住棟はNASAが23年に打ち上げる計画だ。24年の有人月面着陸の際に通信の中継に活用する可能性がある。

宇宙飛行士が長期滞在するための「国際居住棟」は日米欧で分担し、日本は空気や水を制御するシステムや電源機器などを提供する。国際居住棟は25年に打ち上げる予定だ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は月面へのピンポイント着陸を狙って22年度に小型探査機「SLIM」を打ち上げる。観測データはNASAと共有する方針だ。

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