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銀行「事業会社経営」へ りそな、廃業防止へファンド

金融最前線
2020/7/9 20:00
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事業の引き受け手がいない中小企業が廃業するのを防ぐため、銀行自ら受け皿ファンドを創設し始めた。金融庁が事業承継なら事業会社への出資規制を解禁したため、買収も視野に入れる。銀行がホテルや町工場、スーパー、ガソリンスタンドなど事業を経営する時代がやってくるかもしれない。

りそなホールディングス(HD)は2021年1月をめどに、投資子会社を設立し、来春にもりそな銀行が100億円を出資してファンドを設立する。対象はりそなグループの顧客を中心に後継者が不在の中小企業。技術力に強みを持つ製造業や、高いブランド価値を持つサービス業などが想定される。1件約10億~25億円で年2~3件の投資を予定。3年をめどに譲渡先を見つける。

りそな銀行の岩永省一社長は「立派な技術や従業員を持つ企業を誰に渡すのかは日本の課題」と語る。ただ、「株価(譲渡価格)の高さだけを求め、守るべき企業価値を損なう承継は避けるべきだ」という。

りそな銀はファンドを通じ、事業承継先が見つからない取引先に原則として100%出資する。一定以上の経験のある中堅層以上の行員も派遣する。財務改善や企業価値向上を実現させなければ、いつまでも次の引受先が見つからない状態に陥りかねない。雇用を維持し、経営者の意向を尊重しながら、銀行取引とどう両立させるか。単なるマッチングを超えて、引受先を見つける責務を負うことになる。

銀行が買収ファンドを創設するのはこれまで考えられなかった。日銀のマイナス金利政策の結果、集めた預金を貸し出しに回しても利益を生まない構造がはっきりした。岩永社長は「銀行の役割が変わってきた」と話し、「日本の銀行はカネ余りでレートをたたき合い、事業創造をほぼ忘れていた」と反省する。「事業家目線を持たないと、融資をしても金の生かし方がわからない」と言い切り、一線を越えることにした。

銀行による事業会社への出資は議決権ベースで原則5%だが、金融庁が昨年秋に規制を一部緩和。事業承継が目的の場合、最長5年に限り投資子会社を通じ、株式の保有禁止規制を解禁した。ただ、りそなのように一線を越えるのは容易ではない。

ある地銀首脳は「取引先を守り、地域を守るのに融資は限界。買収するか検討している」という。ただ、「自己資本規制の関係上、多額の株式を取得するのは体力的に難しい」と嘆く。バーゼル銀行監督委員会で国際公約した規制を守る必要があるからだ。

三重県の百五銀行はりそなと同じように30億円規模の事業承継ファンドを投資子会社と一緒に設立した。ただ、「全額出資にはこだわらない」。三井住友銀行は2月、企業再生や事業承継が専門の投資会社SMBCキャピタル・パートナーズを設立。1件あたりの投資額は数億円から100億円で、4月から営業を始めたが、買収を原則としているわけではない。買収というより、支援という立ち位置で事業承継ファンドを立ち上げる銀行が多い。

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