「氾濫危険水位」超過は115河川 高まるリスク

2020/7/8 19:26 (2020/7/9 0:30更新)
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大雨による飛騨川の増水で崩落した岐阜県下呂市の国道41号(8日午前11時40分)=共同

大雨による飛騨川の増水で崩落した岐阜県下呂市の国道41号(8日午前11時40分)=共同

九州や岐阜県などを襲った今回の豪雨で、8日までに115河川が「氾濫危険水位」を超えた。梅雨末期の豪雨は近年、広範囲に及び、氾濫危険水位を超えた河川数は5年間で5倍に増加。気候変動で豪雨が増え、河川の安全度が下がっている恐れがある。堤防建設などのハード整備だけでなく、流域全体の治水対策が急務だ。

8日は岐阜県で非常に激しい雨が降り、山間部の下呂市で飛騨川が氾濫。大分県でも日田市の筑後川と由布市の大分川が氾濫した。国土交通省によると、8日午後2時時点で氾濫危険水位を超えていたのは長野県の木曽川や犀川など7。今回の豪雨で一時、氾濫危険水位を超え、すでに下回った河川も108に上った。

地球温暖化などの影響で河川の氾濫リスクは近年高まっている。国交省によると、氾濫危険水位を超えた河川数は2014年に83だったが、19年は403と5年で5倍に増加した。17年の九州北部豪雨や18年の西日本豪雨など、梅雨末期の豪雨が広範囲で河川氾濫を引き起こすケースも多い。

増える災害に対して、堤防建設などのインフラ整備はコストと時間がかかるため、国交省は20年度から行政や民間企業、地域住民らが連携してインフラ整備に頼らない「流域治水」を進める。

戦後最大の洪水と同規模の災害を想定し、流域ごとに雨水貯留施設やため池の活用、工場の浸水対策などを検討する。同省担当者は「河川管理区域内だけの対策では限界があり、行政だけでなく関係者全体を巻き込みたい」と話す。

福島、宮城両県を流れる阿武隈川、新潟、長野両県にまたがる信濃川など、昨年の台風19号による河川氾濫の被害が大きかった9都県の7水系で計画が進んでいる。

埼玉県の入間川流域では県や市町、河川事務所が連携し、1月末に計画を公表した。20年度は決壊箇所の災害復旧や遊水池の整備に取り組む。プロジェクトには避難行動を時系列で示す「マイ・タイムライン」の普及などのソフト対策も盛り込んだ。

治水対策に詳しい京都大の今本博健名誉教授(河川工学)は「国内ではダムによる治水が重視され、堤防の補強や川底を掘削して流量を増やすなどの対策が遅れてきた」と指摘。一方で「従来の治水対策の範囲では今回の雨量で洪水を防げなかった可能性がある。避難計画やまちづくりも含めた幅広い視点で、被害を減らす取り組みが必要だ」と話している。

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