ビズリーチ、教育DXで専門人材公募 さいたま市と

2020/7/8 14:55
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転職サービスのビズリーチ(東京・渋谷)は8日、教育現場のデジタル化を進めるため、さいたま市とIT(情報技術)に精通した人材を公募すると発表した。政府が学校に情報設備を普及させる事業を前倒ししたが、教育のデジタル化戦略を描ける人材は少ない。同社は2020年中に10カ所の自治体と同様の取り組みを実施する。

ビズリーチ(東京・渋谷)とさいたま市教育委員会は共同で教育のデジタル化を進める人材を公募する

さいたま市教育委員会の公募をビズリーチが支援する。期間は8月4日まで。全体像を描く司令塔、端末やネットワークの整備、セキュリティー構築、デジタル教材の活用の役割を想定し、最大4人を集める。採用後は同教育委が立ち上げる教育のデジタル化プロジェクトチームに助言役として入ってもらう。

副業・兼業に限定しており、民間で業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んだ経験を持つ人物を求める。「教育の内部にITのプロフェッショナルがいないと気づいた。外部の専門家の目から助言をもらいたい」とさいたま市教育委員会の細田真由美教育長は期待する。

政府は19年末、「GIGAスクール構想」と名付け、教育のデジタル化を進めるため小中学校の児童、生徒全員に情報端末を支給すると発表した。当初23年度を期限としていたが、新型コロナウイルスでの休校措置を受けて20年度中に前倒しした。小中高校だが、教育用コンピューターの配備状況は19年3月時点で、5.4人あたり1台にとどまる。

経済協力開発機構(OECD)の18年の調査によると、加盟国で日本は教育のデジタル機器の活用が最下位。ハードが整備されることで状況が改善される可能性は高い。

情報端末を活用することで各人の習熟度にあわせた学習や、調べ学習や討論など生徒が能動的に参加する授業がやりやすくなるとされている。ただ使いこなせる人材がいなくては宝の持ち腐れだ。「情報端末の活用にはハードの整備と研修が両輪となる」。10年以上、校長など幹部職員にIT研修を実施してきた墨田区教育委員会の渡部昭氏はこう話す。

実は専門人材配置の必要性は10年以上前から認識されていた。08年に公表された文部科学省の指針で、教育情報化の統括責任者(CIO)を教育委員会や学校に置く必要があると明言されている。ただCIOは一部の自治体にしか存在せず、教育現場のデジタル化は進んでいない。

さいたま市の取り組みは全国のモデルになる可能性があるが、課題も残る。同市の公募の報酬は1回8時間の勤務、月4回で8万円。優秀なプロ人材を招き入れる十分な水準とは言いがたい。東北大大学院の堀田龍也教授は「志だけでは長続きしない。民間の力を活用するためにも、専門家への待遇の見直しや、民間と教育現場の人事交流など検討すべきことは多い」と指摘する。

(香月夏子)

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