米イノビオの新型コロナワクチン、中間解析で好結果

BP速報
2020/7/8 16:50
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新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発に各社が精力的に取り組んでいる(写真は米国、3月)=AP

新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発に各社が精力的に取り組んでいる(写真は米国、3月)=AP

日経バイオテク

バイオ製薬の米イノビオ・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス感染症のDNAワクチンを健常なヒトに投与した第1相臨床試験の中間解析で好結果が得られたと、6月30日に発表した。また、安全で有効なワクチンを2021年1月までに米国内向けに3億回分用意することを目指す米国政府の「ワープ・スピード作戦」の一環として、同ワクチンが霊長類モデルを使った実験の対象に選ばれたことも明らかにした。

同社によると、開発中のワクチンは抗体によりウイルスを排除する「液性免疫」と、免疫細胞の一つであるキラーT細胞などにより排除する「細胞性免疫」をバランスよく誘導できるのが特徴。また、ワクチンは非常に安定していて、室温で1年超保管できるため、世界各国で幅広く接種することが可能と考えられている。

安全性の評価などを目的とした第1相臨床試験は、官民連携でワクチン開発を推進する国際機関「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」から資金を得て、米国の2カ所で行われている。試験に登録されたのは、18歳から50歳までの健常なボランティア40人で、ワクチン1ミリグラムを2回接種するコホート(集団)と2ミリグラムを2回接種するコホートに割り付けた。電気パルスで皮膚に小さな穴を開けて取り込ませるエレクトロポレーションデバイスを用いて4週間隔で皮膚内に投与した。

接種8週後まで追跡したところ、重篤な有害事象はみられなかった。報告された有害事象は10件で、多くが注射部位におけるものであり、全てグレード1(軽度)だった。

登録した40人のうち3人は、登録時点の検査で新型コロナウイルスに対する免疫を持っていたことから、感染歴があるとみなして分析から除外。さらに1人がワクチンとは無関係の理由で臨床試験から脱落したため、免疫反応の評価対象は36人になった。2回目の接種から6週間後に、両コホートの細胞性免疫反応と液性免疫反応を評価したところ、分析対象となった94%(36人中34人)になんらかの免疫反応が認められた。

イノビオは第1相臨床試験を拡大して、対象に高齢者からなるコホートを追加するとともに、この夏には第2相・第3相臨床試験の開始を計画している。

また、このワクチンをモデルマウスに投与した実験では、マウスを新型コロナウイルスに曝露しても肺でのウイルスの増殖は全く見られなかったという。現在、フェレットモデルにワクチンを投与する実験を行っており、さらにワープ・スピード作戦による霊長類モデルを対象とする試験も開始されることになっている。

(ライター 大西淳子)

[日経バイオテクオンライン 2020年7月8日掲載]

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