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チームでの仕事に焦点 今やるべきことをやる

僕が所属するスペイン2部のウエスカは過密日程とも悪戦苦闘中だ。特に6月29日のサラゴサ戦から7月19日の最終節までは中2日で7試合のハイペース。

再開後のウエスカは3勝2分け2敗(第38節終了時)。僕自身はその中で2ゴールしたが、再開直後は気持ちの切り替えができずにいた。中断前に2試合連続得点していたこともあり、1部昇格を果たすにはゴールという仕事にフォーカスすべきだと考えていた。初戦のマラガ戦は3-1で勝利したが、僕はノーゴール。前半で退場者を出し、52分に交代するまで守備しかしていない。

5日のデポルティボ戦の後半、ボールを追う岡崎(右)。いまはチームでの役割にフォーカスしているという=共同

「次もある」と気を取り直したが、その試合はベンチスタート。しかも敗れた。不満が芽生えた。こういうことは今までも何度もあったと頭では理解できても、気持ちの整理がつかない。続く試合で先発フル出場できたが、すっきりはしなかった。イライラが募る中で一つ分かったのは「僕は一人じゃ何もできないんだ」ということだった。

再開後のチームに安定感はない。が、調子の良いFWはいる。だったら今は「チームでの仕事にフォーカスすべきだ」と。中断前の自分にとらわれるより、今の自分に焦点を合わせる。そう気持ちをリセットできたら不思議なもので、途中出場のカディス戦でゴールを決められた。1部に自動昇格できる2位以内を争う香川真司のサラゴサにも勝ち、7月2日のラス・パルマス戦では決勝点を挙げることもできた。

イライラして不満、愚痴が出るのは自分がやってきたことに誇りや自負があることの裏返し。その気持ちを否定してはいけない。

僕の好きな『はじめの一歩』というボクシング漫画で、試合に負けて「言い訳はない」と言った主人公に先輩ボクサーが諭す場面がある。「もう一度立ち上がるなら、男には言い訳が必要だ」と。愚痴や言い訳をしなくなったら、確かにそれは選手として終わる時なんだと思う。

南野拓実が所属するリバプールが英プレミアリーグで優勝した。選手が喜ぶシーンを見て、自分がレスターで優勝した4年前を思い出した。ただ、あの頃の僕を振り返ると実は悔しさしかない。「フル出場で起用してもらえたら、もっとゴールが取れた」「あそこでケガをしていなかったら」などと、タラレバの話が頭の中を駆け巡るのだ。

一方で、もし、僕がフル出場し続けていたらレスターは優勝できていなかった気もする。「もし」が実現していたら現実も書き変わり、今とは違う岡崎慎司になっていたかも、なんて。それで「もし」については口にすることはあっても「考えるだけ無駄」という答えになる。そして「今は、今をやるしかない」というところに戻ってくる。

(ウエスカ所属)

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