アマゾンなど巨人ITが最高値 成長見込みマネー集中
M&Aでも存在感 寡占の弊害に当局が関心

2020/7/7 21:00
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米巨大ITの株価上昇が続いている。6日の米株式市場では時価総額首位を争うアップルとマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムの3社がそろって上場来高値を更新した。上位5社の時価総額合計は全体の2割を超え、成長が見込める企業への一極集中が進む。資金力を生かしたM&A(合併・買収)も目立ち、規制当局は寡占の弊害にも目を向け始めた。

6日に注目を集めたのがアマゾン株だ。株価は4営業日続伸して上場来高値を更新、初めて3000ドルを超えた。上昇ペースは専門家の予想を上回る。米ファクトセットによると、証券アナリスト約50人が設定した目標株価の平均は6日時点で2803ドルだった。

アマゾンは3~5月にかけて物流施設や小売店従業員らの時給や残業代を一時的に引き上げるなど、利益圧迫要因もある。今後3~5年の業績見通しを基に目標株価を算定するアナリストが上昇を続ける株価に追随し、目標株価を切り上げている格好だ。「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)では説明できない」(米証券ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声も漏れる。

アマゾンの時価総額は1兆5000億ドル(約160兆円)と、首位のアップル(1兆6200億ドル)や2位のマイクロソフト(1兆5900億ドル)に迫る。

新型コロナウイルスの影響を受けにくく、成長が続くとみられている大型ハイテク株にはそろって資金が流入している。QUICK・ファクトセットによると3社にアルファベット、フェイスブックを加えた5社の時価総額は、S&P500種株価指数の採用銘柄合計の2割を超える。

豊富な資金力を武器に各社はM&Aの分野でも存在感を高める。米調査会社のCBインサイツによると5社が過去10年間で手掛けた案件は500件を超え、その前の10年間に比べ2.6倍に増えた。6月下旬にはアマゾンが自動運転技術の開発を手掛ける米ズークスの買収を決めたばかりだ。

人材や知的財産の獲得競争で優位に立ち、各種サービスにおける市場支配力を強める巨人ITに対し規制当局は懸念を強める。米下院司法委員会は6日、アマゾンとアップル、グーグル、フェイスブックの4社のトップが反トラスト法(独占禁止法)調査に関連して27日に議会証言すると発表した。米司法省や米連邦取引委員会(FTC)はIT大手が反トラスト法に違反していないかどうかを過去のM&A案件に遡って調査している。

独禁当局などの調査でIT大手の側に競争を阻害する意図があったと判断されれば、過去のM&Aの承認も取り消せるとの指摘も一部の法学者から出る。米国でこうした規制強化の動きが勢いづけば、大型ハイテク株が主導する米相場にも影響を与えるおそれがある。

(シリコンバレー=白石武志、ニューヨーク=宮本岳則)

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