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スポーツの政治的中立と抗議行動 IOCはどうする?

Tokyoオリパラ
2020/7/12 2:00
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米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は6月、現在は禁止されている五輪の競技会場や選手村での抗議活動の容認を目指す方針を明らかにした。カナダの反ドーピング機関で選手の倫理教育や啓発活動を担う組織も、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じる五輪憲章第50条の修正を国際オリンピック委員会(IOC)に要求すると発表した。

米国で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件をきっかけにした人種差別に抗議する運動は世界に広がった。アスリートも多数が賛同している。しかし、現在のルールでは五輪で彼らが人種差別に抗議するアピールなどをすれば処罰されてしまう。

実際に1968年メキシコ大会では陸上男子200メートルで表彰台に立ったアフリカ系米国人選手2人が、黒い手袋をした拳を突き上げて人種差別に抗議するブラックパワー・サリュートと呼ばれる示威活動をして大会から追放された。

こうしたルールは五輪が理念としてスポーツの政治的中立を求めているからだ。ただ一方で、あらゆる差別に反対するという原則も五輪憲章には盛り込まれている。

具体的に今後の五輪で問題になりそうなのが、国歌斉唱の際に選手が人種差別への抗議として片膝をつく行為だろう。米プロフットボールNFLを中心にアスリートに広がり、それをトランプ大統領が非難したことで米国では世論を二分する問題となった。

IOCは今年1月、この膝つき行為について五輪憲章50条のガイドラインで禁止行為に当たると定めた。USOPCなどの動きを受けて、方針を転換するかどうかが注目される。

(編集委員 北川和徳)

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