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厳しい制限続く中、スポーツの再開に喜びと感謝

マセソン美季

カナダ・オンタリオ州は10人を超えて集まることが禁止されている(無観客で再開したJリーグ、埼玉スタジアム)=共同

カナダ・オンタリオ州の公立小中高校は、3月から休校のまま夏休みを迎えた。息子たちの成績表も今回はインターネット経由で届いた。9月から始まる予定の新学期は、1クラス15人までという制限が新たに設けられる。それでも通学を心配する家庭向けに、リモート教育の準備も進んでいるらしい。

2カ月ある夏休み。例年ならスポーツで忙しい息子たちだが、今年は様子が違う。カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会などが世界保健機関(WHO)と協力して、スポーツ再開のガイドラインとリスク評価のチェックリストを作成した。エリート選手だけでなく、地域のスポーツクラブも対象。子どもたちもそれに従い、そろりと活動を始めている。

私が生活するオンタリオ州は、いまだに緊急事態宣言が解除されていないので、10名を超える人が集まることは禁止されている。この制限がスポーツにも様々な影響を及ぼしている。

サッカーの場合、フェーズ1では試合は認められていない。練習は屋外に限られ、水筒以外の持ち込みは禁止。一度に練習できる人数の上限は、ピッチ半面にコーチ1人と選手9人。ヘディングは禁止だ。フェーズ2に移行できても、対外試合は認められず、同じクラブ内のメンバーで7人制の試合を行うのみとなっている。

カナダの国技ラクロスの競技団体は、「ボックスラクロス」のシーズン中止を発表した。氷を張っていない夏場のアイスホッケーのアリーナで行われる屋内ラクロスのことで、1897年の団体創設以来、初の中止だという。ラクロスは1チーム10人で行われ、プレーヤー同士のタックルもあるため、競技実施は難しいと判断したようだ。もう一つの国技アイスホッケーは、今はコーチを含む10人以下での、個人スキルトレーニングのみをしている。

窮屈なやり方ながら仲間と久しぶりにサッカーをした長男は「試合や合宿がないのは残念だけど、みんなと一緒にできるなら、心が整うからそれだけで十分」と話した。スポーツができる喜びと感謝の気持ちをかみしめているようだった。

マセソン美季
 1973年生まれ。大学1年時に交通事故で車いす生活に。98年長野パラリンピックのアイススレッジ・スピードレースで金メダル3個、銀メダル1個を獲得。カナダのアイススレッジホッケー選手と結婚し、カナダ在住。2016年から日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。国際パラリンピック委員会(IPC)教育委員も務める。

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