次の100年へ電動化に力 シマノ、喜三氏の遺志継ぐ

2020/7/6 20:53
保存
共有
印刷
その他

「ベンチャー2005KANSAI」で登壇したシマノの島野喜三氏(2005年11月、大阪市北区)

「ベンチャー2005KANSAI」で登壇したシマノの島野喜三氏(2005年11月、大阪市北区)

堺市は刀、包丁など脈々と受け継がれた金属加工を得意とする製造業者が多く、シマノはその代表格。4代目社長を務めた島野喜三氏は海外で「ものづくりのシマノ」の知名度を高め、兄とともにシマノをイタリアのカンパニョーロなどと並び称される世界的な自転車部品メーカーに育てた。

シマノは来年3月、100周年を迎える。欧米、アジアと幅広い地域で稼ぎ、2019年12月決算の売上高経常利益率は19%とグローバルな優良企業に育った。新たな100年に向けて飛躍できるかどうかのカギを握るのは、自転車の電動アシスト化への対応だ。

「独ボッシュに一歩近づいたかな」。今年2月、決算発表に臨んだ島野容三社長はつぶやいた。容三氏は喜三氏の甥(おい)で5代目社長。自転車部品事業に占める電動アシスト車向け比率は約1割に達した。強力なライバルに着実に迫ったとの手応えが感じられた。

電動アシスト化はシマノにとって好機であり、試練でもある。バッテリーなど高付加価値な部品が増え、先進国の高齢化による自転車離れにも歯止めをかけられる。

一方、独ボッシュ、パナソニックヤマハなど「強力なライバルとかつてない厳しい戦いを迫られる」(役員)。シマノは激戦区から逃げず、立ち向かう道を選んだ。普及車向けで量を稼ぐのではなく、長年培った精密加工技術が生み出す「乗り味」でライバルとの違いを出す戦略だ。

新型コロナウイルスの影響でアジアの工場などでは一時的に操業停止も余儀なくされた。だが欧州では自転車通勤に補助金を出す国も出てきた。日本円で20万円程度の中価格帯が欧米で好調だという。環境重視、健康志向といった世界の潮流も変わっていない。好敵手との競争で一段と自らを鍛えられるかがが問われている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]