イラン核施設で火災、サイバー攻撃の指摘も

イラン緊迫
2020/7/6 16:48
保存
共有
印刷
その他

【ドバイ=岐部秀光】イラン中部ナタンツにあるウラン濃縮のための遠心分離機を開発する施設で2日、火災が発生し大きな被害が出た。米紙ニューヨーク・タイムズは情報当局者の話として、イスラエルが関与していると報じた。ロイター通信は複数のイラン当局者の話として「サイバー攻撃があった」と伝えた。

イランが公開した火災でダメージを受けた核施設(2日、ナタンツ)=ロイター

イラン原子力庁のカマルバンディ報道官は5日、「高性能遠心分離機の開発と製造は中期的に遅れざるを得ない」と被害の大きさを認め、より高性能の施設を新しく建設する方針を明らかにした。公表された写真では建物の壁や屋根が黒焦げとなり、内部で大きな爆発があった可能性がある。

イスラエル国防省は、イランで起きる原因不明のすべての事件に「必ずしも関与しているわけではない」と述べた。イランでは6月末、首都テヘラン近くに位置するパルチンのガス貯蔵タンクで爆発が発生したほか、医療施設でも別のガス漏れによる爆発が起きた。

ナタンツの核施設は2010年、米国とイスラエルが開発したとされるコンピューターウイルス「スタックスネット」を使ったサイバー攻撃を受け、核開発計画が大打撃を受けた経緯がある。

イスラエルとイランはサイバー攻撃の応酬を激化させている可能性がある。イスラエルは4月、下水道の制御システムがイランによるサイバー攻撃の標的になったと発表した。欧米メディアによると、5月にはホルムズ海峡に面する南部バンダル・アッバースの港湾施設にイスラエルがサイバー攻撃を仕掛けた。

イラン国防当局者は2日の国営テレビで「サイバー攻撃への対応は国防の一部だ。我々の国が標的になったと証明されれば反撃する」と述べた。

イランの核開発を巡っては15年、イランによる原子力活動の大幅な制限と引き換えに、経済制裁を解除する核合意が成立した。トランプ米政権は18年に合意から一方的に離脱。イランがこれに反発し、ウラン濃縮活動などを段階的に再開した。

イランと対立する米国やイスラエルが特に神経をとがらせているのが、最新鋭の遠心分離機の開発だ。イランが万一、核武装を決断した場合、実際に核爆弾を入手できるまでの時間を大幅に短縮できるからだ。核合意はこの時間が1年以上となるように設計された。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]