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「デジタルで効率的な学びを」豊福晋平・国際大准教授

教育改革 危機が促す

新型コロナウイルス禍の一斉休校は学習機会の格差を生んだ。感染拡大の「第2波」や災害などに襲われた際も学びを止めない「学びの保障」に必要なのは、オンライン(遠隔)指導の充実を中心とした学校教育のデジタル化だ。教育の情報化に詳しい国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平准教授に課題を聞いた。

国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平准教授

――休校中や登校再開後の学校のデジタル対応はどうなっていますか。

「休校中に遠隔授業を始めたものの、対面授業が再開された途端にやめる学校が目立つ。分散登校や校内の消毒などで教員の負担が増しているためだ。『遠隔授業は対面授業の代替手段にすぎない』という意識が表れている」

――学校のデジタル対応にはもともと、地域差がありました。

「新型コロナでその差はさらに広がった。在宅勤務になじんだ保護者も『学校はなぜオンライン指導ができないのか』と疑問を持つようになっている。多くの子育て世代が教育のデジタル化施策に注目しており、自治体は対応を問われる」

――日本の学校教育のデジタル対応はなぜ遅れたのでしょう。

「教育関係者の危機感が薄かった。子どもたちは教員の指示でパソコンの操作方法を習う程度で、校内でメールやSNSを使うことはほぼなかった。日常的に使わないため機材トラブルが起きやすく、教員も活用を敬遠しがちだ。デジタル対応が進んでいる北欧や米国では子どもが使い慣れ、教員の負担が少ない」

――学習にデジタル機器は有効ですか。

「社会が多様化し、子どもが学ぶカリキュラムも増えている。デジタル機器を使って効率よく学ばざるを得ない。教員が一方的に教える授業ではなく、児童生徒が各自のペースで学んだり、端末を使ってグループで話し合ったりしやすくなる。感染『第2波』や災害で登校できない状況が起きても、児童生徒と保護者、教員がつながりを保つ連絡手段があることは安心感につながる」

――日本の学校がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるために必要なことは。

「プログラミングや人工知能(AI)を学ぶことだけがDXではない。公教育のあり方を圧倒的な情報量を扱うテクノロジーで変えるのが世界の潮流だ」

「まず教育関係者がデジタルの日常利用への意識を持つことだ。政府は公教育に十分な予算を費やし、子ども1人につき1台の端末配備を急ぐべきだ。デジタル機器の活用を前提としたカリキュラムづくりも必要だ」

(聞き手は松浦奈美)

 豊福晋平氏(とよふく・しんぺい) 国際大グローバル・コミュニケーション・センター准教授。専門は学校教育心理学、教育工学。教育の情報化の専門家で、多くの自治体などにデジタル対応の施策を助言している。

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