都知事選で野党不振、首相の解散判断に影響
小池氏圧勝、コロナ対策で協調探る

2020/7/6 1:30
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5日投開票の東京都知事選で小池百合子知事が圧勝した。野党の支援候補はいずれも伸びなかった。野党の不振は安倍晋三首相の衆院解散・総選挙の可否や時期を巡る判断に影響する。政府は圧勝で求心力を得た小池氏と新型コロナウイルス対策などで協調を探ることになる。

安倍政権はコロナ対応や内閣支持率の落ち込みで逆風を受ける(5日、首相官邸)

安倍政権はコロナ対応や内閣支持率の落ち込みで逆風を受ける(5日、首相官邸)

自民党は5月、早々に独自候補の擁立を事実上見送った。二階俊博幹事長は「小池氏を実質的に支援する」と言及した。都議会での対立など因縁の深い都連を抑え込んだ。

新型コロナ対策や来夏に延期した東京五輪・パラリンピックを控え小池氏との協力を優先した。都議会で連携する公明党も再選を望んだ。

公明の佐藤茂樹選挙対策委員長は5日夜、党本部で記者団に「国政では自民党と連立を組んでいる。次の国政選挙もしっかりといく結果になることを期待し、確信している」と強調した。

都知事選で改めて浮かび上がったのは野党の低迷が続いていることだ。

立憲民主、共産、社民の3党が宇都宮健児氏を支援し、国民民主党は自主投票とした。れいわ新選組代表の山本太郎氏も出馬に踏み切った。

立民の枝野幸男代表が何度も応援に入るなどの意気込みにもかかわらず宇都宮氏は伸びなかった。野党の主要候補の票を足しても小池氏に大きく水をあけられた。

安倍政権はコロナ対応や内閣支持率の落ち込みで逆風を受ける。野党共闘が進んでいない状況を踏まえ、与党内に早期解散を容認する考えが広がる可能性がある。

自民幹部は「野党が立ち直る前の年内解散があってもいい」と話す。別の幹部は「野党の足並みがさらに乱れれば早期解散の機運は高まる」と指摘する。

首相の盟友、麻生太郎副総理・財務相は6月末、公明の斉藤鉄夫幹事長に「秋の解散が望ましい」との見解を示した。斉藤氏は選挙準備が進んでいないと年内解散に慎重な考えを伝えた。

公明は2日に衆院選選挙区の2次公認候補を発表した。支持母体の創価学会は週内にも各地域の幹部を集めた会議を開く。

首相の判断は野党の状況だけに左右されるわけではない。新型コロナの感染拡大で再び緊急事態宣言の発令などの深刻な状況になれば、衆院選の実施は難しくなる。

衆院議員の任期は2021年10月までだ。首相は党総裁任期となる同年9月までに解散カードを切るかどうかを含めてフリーハンドを握る。

政府・自民と小池氏は微妙な関係が続いてきた。16年の前回都知事選で小池氏は自民の擁立候補を破った。翌17年の都議選で地域政党「都民ファーストの会」を結成して自民を大敗に追い込み、都政を握った。自民に「反小池」は根強い。

国政では17年の衆院選を前に希望の党をつくって首相との対決姿勢を見せた。首相サイドとしても協調を深めることへの警戒は消えていない。

それでも、新型コロナで感染者が増える東京都の対応は全国的な感染拡大の封じ込めに重要だ。再拡大防止と経済再生の両立をめざす政府は歩み寄りを模索する。

自民の鴨下一郎都連会長は5日夜、党本部で記者団に「知事とどう連携するか都民の選択として示唆された」と述べた。

小池氏にも政権との協調を重視せざるを得ない事情がある。コロナ対策に必要な財政力に陰りが見えてきた。小池氏は4日、政府で対策を担う西村康稔経済財政・再生相に支援を要請した。

与野党には「小池氏が2期目のさなかに衆院選で国政復帰を考えている」との臆測もあり、政権と小池氏との間合いが一層複雑になりかねない。

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