熊本、コロナ下の避難所 3密回避も資材不足課題

2020/7/5 19:54
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熊本県の豪雨災害は、新型コロナウイルスとの闘いが続く中で起きた。各地の避難所はスペースに余裕をもたせて「3密」(密閉、密集、密接)の回避などに取り組むが、多数の住民が押し寄せる施設も少なくない。発熱者への対応や資材不足など運営の課題も浮き彫りになっている。

新型コロナウイルス感染防止のため、避難所で間隔を空けて休む女性(5日午後、熊本県八代市)

「コロナに備える前に災害が起きてしまった」。5日夕時点で100人超が身を寄せる熊本県八代市の総合体育館で、4日朝から開設作業に追われた市職員が疲れ切った様子でこぼした。

同市坂本町地区で避難所となっていた公民館などが浸水し、市は急きょ体育館の活用を決定。大アリーナに2メートル程度の間隔を空けて約100組分の毛布やマットを敷き、飛沫感染対策として卓球用の防球フェンスを間仕切りに代用した。

自宅が浸水し家族2人と避難した男性(68)は「感染を過度に意識しているわけではないが、長女の持病もあり密集は避けたい」。

同市は6月下旬に新型コロナ対応の避難所開設マニュアルを作成したばかり。避難所の定員を減らしてスペースを確保し、消毒液や段ボール製の間仕切りの設置も予定していた。だが、間仕切り用段ボールの納品前に豪雨が襲い、備蓄分だけでは必要数の10分の1にも満たない。市の担当者は「感染対策の物資が届かず、臨機応変に対応するしかない」と悩んだ。

多数の避難者が押し寄せて一時的に「定員超過」となった地域もあった。熊本県水俣市の高台にある消防本部には69人が一時避難したが、市の担当者は「適正な距離を保つためには30人程度が望ましかった」と話す。3密を気にして車中泊を希望する人もおり、市は避難所が過密になった場合は別の避難所に移動するよう呼びかけた。

避難所運営に詳しい福島大の天野和彦特任教授は「施設の入り口で検温などを徹底し、ウイルスを持ち込ませないことが重要だ」と指摘。トイレやドアノブの消毒など、住民側も避難所の運営に積極的に関わる必要があると語る。

体調不良者が出たときに備え、避難所内で専用の部屋を用意するほか、ホテルなどの宿泊施設を確保しておくことも必要だという。「感染者が出た際に行政や医療機関がどう連携するか、今のうちに確認することも欠かせない」と話している。

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