熊本の住民ら、不安抱え片付け 豪雨被害から一夜明け

2020/7/5 11:25
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レストランから運び出された椅子や机(5日午前10時、熊本県人吉市)=共同

レストランから運び出された椅子や机(5日午前10時、熊本県人吉市)=共同

豪雨被害から一夜明けた5日、熊本県では自衛隊や消防による救助活動が続く中、住民らが家屋に流れ込んだ土砂の片付けを始めるなど復旧に向けた動きも見られ始めた。同県では同日夜にも大雨が予想され、不安を抱えての作業となった。

「家族だけではとても無理だ」。芦北町の自営業、佐藤圭吾さん(62)は5日朝から土砂まみれになった自宅1階の片付けに追われた。前日の大雨で近くを流れる佐敷川が氾濫し、1階まで浸水。水は引いたが、自宅周辺は土砂で覆われ、集落の住民の車は大半が水没して使えなくなった。

前夜は高齢の父と妻の3人で自宅2階で過ごした。電気と水道は4日のうちに復旧したが、父が住む隣の平屋の建物には土砂が大量に残り、冷蔵庫が倒れるなど荒れ果てた状態。熊本市などに住む親戚から「片付けを手伝いに行くよ」と次々と電話が入り、一日かけて片付けにあたるつもりだ。

この日は朝から時折小雨が降り、夜には大雨が予想される。佐藤さんは地区の公民館長も務めており、4日までに近所の高齢者らを避難所に避難させた。自宅の裏手には山があり、「また大雨が降れば土砂災害の恐れがある。雨の状況を見て自分たちもすぐに避難したい」と不安を口にした。

 豪雨の影響で流された車(5日午前6時40分、熊本県人吉市)=共同

豪雨の影響で流された車(5日午前6時40分、熊本県人吉市)=共同

球磨川のそばにある熊本県人吉市の「旅館たから湯」の女将、山本重子さん(58)も片付けに追われた。4日は2階建ての旅館が浸水し屋根の上に避難。夕方に救助隊のボートで救助され、被害が少なかった市内の娘の家に身を寄せた。

5日朝に旅館に戻ると、流れ着いた車が散乱していた。水は引いたが、部屋の中は10センチほど泥がたまり、歩くのもやっと。泥の中に窓ガラスの破片も散らばっているといい、用心しながら財布などの貴重品を運び出した。「思い出の写真や手紙も泥だらけになってしまった」と声を落とす。

午後からはスコップで泥をかき出す作業をする予定だ。山本さんは「また同じように濁流が迫ってくるかもしれないと思うと怖い」と話した。

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