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ドラマ「世にも奇妙な物語」、自由な制作貫き放送30年

日常に潜むミステリアスな出来事を描いた短編で構成するドラマ「世にも奇妙な物語」(フジテレビ系)が、今年で放送30年を迎えた。かつて日本でも人気を集めた米国の「ヒッチコック劇場」や「トワイライト・ゾーン」に連なるオムニバス形式の恐怖ドラマで、脚本家の北川悦吏子ら、ここで注目され羽ばたいたクリエーターも多い。

その前身は1989年秋から半年間続いた1話完結の短編ドラマ「奇妙な出来事」。深夜帯にもかかわらず若者から注目を集め、90年春の番組改編で新たに短編のオムニバスで構成する「世にも奇妙な物語」としてゴールデンタイムに進出した。レギュラー放送を経て、現在は年に2回の番組改編期に「特別編」として放送している。

タモリが「ストーリーテラー」と呼ばれるドラマの案内役を務め、「奇妙な世界」を描くというコンセプトは90年のスタートから変わらない。「コンセプトがシンプルで分かりやすい。だからこそどんな話でも成立する。その間口の広さが長く続いた理由ではないか」と編成企画を担当する渡辺恒也氏は語る。

1話の中で奇妙な現象を2つ起こさない、奇妙な現象の理由を幽霊のせいにする「幽霊オチ」にしない、などの大まかなルールはあっても「これは駄目という制約はない」と渡辺氏。自由度の高さが長寿の秘訣という。同じく編成企画を担当する狩野雄太氏は「30年続けてきたからこそスタッフも若手からベテランまで幅広く、切磋琢磨(せっさたくま)して制作している」と話す。

もっとも短編とはいえ制作にかかる手間は通常の1時間ドラマと変わりない。「時間とお金のかけ方を工夫する必要があり、手間とコストを考えると効率はよくない」という。短編オムニバスという手法そのものが日本で珍しいのはそうした事情もあるようだ。

7月11日放送の「世にも奇妙な物語'20夏の特別編」は4話。妻を誘拐された男を巡る謎めいた物語の「3つの願い」のほか、火葬しようとしても父親の遺体が燃えない「燃えない親父」など。伊藤英明、杏、広瀬アリス、白洲迅がそれぞれ主演する。「ドラマに出てくる現象自体は奇妙だが、一番奇妙なのは人間の内面。その余韻が残る話を心がけている」と渡辺氏は語っている。

(関原のり子)

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