世界の感染者数、1100万人突破 米は連日最多を更新

【サンパウロ=外山尚之】新型コロナウイルスの全世界の累計感染者数が1100万人を超えた。米国では経済再開により、2日連続で1日あたりの新規感染者が過去最多を更新。ブラジルやインドなど新興国でも感染拡大が止まらない。目先の経済を優先したツケが表面化している。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米東部時間3日午後7時(日本時間4日午前8時)時点で累計感染者数は1103万人、死者数は52万3千人となっている。世界の感染者数は6月28日に1000万人を突破してからわずか5日で100万人が増加するペースとなっており、勢いは加速している。
感染の震源地となっているのが米国だ。2日の新規感染者数は5万3千人と、2日連続で5万人を突破し、感染の再拡大が止まらない。AP通信は3日、50州のうち40州で感染者数が増加していると報じた。特にテキサス州やフロリダ州、アリゾナ州など、共和党の知事がトランプ大統領の呼びかけに応じ、早期の営業規制の緩和に動いたことで感染拡大を招いた。
こうした状況下にもかかわらず、トランプ氏は3日、リンカーンら4人の歴代大統領の肖像を刻んだ岩山で知られるラシュモア山(サウスダコタ州)を訪れ、4日の米独立記念日を祝う花火大会を強行した。同日には首都ワシントンでも大規模な花火の打ち上げや戦闘機の飛行を予定する。人々が密集することへの懸念が広がっている。
新興国ではブラジルで4万8千人、インドで2万千人と高水準の新規感染者が発生している。ブラジルではサンパウロ州の一部地域で6日から飲食店などの営業再開が決まった。リオデジャネイロに続く措置で、失業や倒産が増加する中、感染抑止策は後回しとなっているのが現状だ。

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