フランス内閣総辞職、新首相にカステックス氏

2020/7/3 21:00
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フランスのマクロン大統領(左)はフィリップ内閣の総辞職とカステックス氏(右)を首相とする新内閣で支持率回復を狙う=ロイター

フランスのマクロン大統領(左)はフィリップ内閣の総辞職とカステックス氏(右)を首相とする新内閣で支持率回復を狙う=ロイター

【パリ=白石透冴】フランス大統領府は3日、フィリップ首相と同内閣が総辞職したと発表した。後任には中道右派共和党で官僚のカステックス氏を任命した。マクロン大統領は新内閣で支持率回復を狙う。世論を意識し、今後の組閣では環境や移民対策を重視することになりそうだ。

仏大統領府は同日、「(フィリップ)首相から辞任の申し出があり、大統領が受け入れた」との声明を発表した。マクロン氏とフィリップ氏で「新しい道を切り開くため、新しい内閣が必要だとの見解が一致した」ためだとしている。内閣も総辞職した。

カステックス氏はマクロン政権下で、新型コロナウイルスの外出制限緩和を立案する省庁間代表を務めた。知名度は低いが保健分野の行政に詳しく、長期化するウイルス対策で力を発揮すると判断されたもようだ。南仏の小さな自治体プラドの首長でもある。

2017年発足のフィリップ内閣は10人以上の大臣が交代したが、総辞職は初めて。新内閣では新型コロナ対策で最前線に立つベラン保健相など続投する大臣もいるもようだが、内相、法相、環境相などの主要閣僚を変えるとの情報がある。

仏AFP通信は3日、新内閣の全ての顔ぶれは次回閣議が予定される8日までに明らかになると報じた。一方フィリップ氏は6月下旬の統一地方選で地元ルアーブルで勝利しており、同市市長になるとみられる。

マクロン与党は統一地方選でパリ、マルセイユ、リヨンなどほぼ全ての主要都市で敗北した。新型コロナ対策が支持されていないほか、政策が富裕層を優遇しているとの批判があることなどが理由だ。地方に基盤を作って政権を安定させるとの戦略は失敗した。

マクロン氏は世論調査から事前に大敗を予想しており、新内閣で人気浮揚を図ることを決めていた。統一地方選では環境政党「欧州エコロジー・緑の党(EELV)」と、移民対策に厳格な極右国民連合が勢力を伸ばしており、左派と右派の両方に目配せした顔ぶれになりそうだ。

フランスはコロナ禍で今後急増するとみられる失業者の雇用対策や、悪化した財政の立て直しなど課題が山積している。年金改革などの各種改革も棚上げしたまま再始動のメドが立っていない。

欧州連合(EU)でも南欧救済の議論が続き、マクロン氏は新政権で早急に国内外の求心力を取り戻す必要がある。

フランスでは支持率回復のために首相を交代させることは珍しくない。ただ、フィリップ氏は新型コロナ対策で記者会見に毎回登場し、説明が誠実だなどとして人気が高まっていた。1日に仏メディアが報じた世論調査では半数以上が「交代を望まない」と答えた。首相交代が逆効果になる可能性もある。

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