GPIF、外債投資余力4~5兆円 19年度8兆円赤字

2020/7/3 23:03
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GPIFは世界最大規模の機関投資家

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公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3日、2019年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で8兆2831億円の赤字だったと発表した。今後は外国債券の投資を増やす方針で、4月からの新たな目安では4兆~5兆円程度の買い余力がある。為替相場で円安材料になりそうだ。

GPIFは3月末時点の運用資産が約150兆円にのぼる世界最大規模の機関投資家で、運用の動向や方針は世界的にも関心を集める。

通年の運用成績が赤字になるのは4年ぶり。運用利回りはマイナス5.2%で過去3番目に悪かった。感染拡大の影響が金融市場を直撃した20年1~3月の運用損失は17兆7072億円と、四半期で過去最大になった。

4月以降は世界の株価が上昇しており、19年度の損失の大部分を回復しているとみられる。

20年度に注目されるのは外債投資だ。GPIFは4月、国内外の債券と株式にそれぞれ25%ずつ投資する新たなポートフォリオ(資産構成)を採用した。外債が10ポイント増え、国内債は10ポイント減った。

3月末時点の運用資産のうち、外債は22.2%(為替ヘッジなし)だった。4月からの目安を3%弱下回り、目安まで4兆~5兆円ほどの買い余地がある。日本の19年の対外証券投資は約20兆円で、GPIFの買い余力はこの4分の1ほどだ。

外債は目安から上下6%の幅を認められており、上限まで投資するなら13兆円の買い余地がある。GPIFの外債投資は円を売って外貨を買う取引が発生し、為替市場では円安方向に働く。

ただ、主要先進国が金利を大幅に引き下げ、足元の債券運用は厳しい状況だ。宮園雅敬理事長は3日に開いた記者会見で「外債をすぐに買いに走ることはない」と述べた。そのうえで「新型コロナの感染状況や市場の状況を注視しながら対応を検討したい」と語り、時期を探る考えを示した。

国内株の買い余地は乏しい。3月時点で運用資産の22.9%だ。株安の影響で19年12月末(25%)から2ポイント下がった。足元では株価が戻しており、ポートフォリオの目安近くになっているとみられる。株価を押し上げる力は限定的だ。

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