米議会、対中圧力強める トランプ氏署名が焦点に

香港デモ
2020/7/3 19:10
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【ワシントン=永沢毅、香港=木原雄士】米議会上院は2日、中国の金融機関への制裁に道を開く香港自治法案を可決した。米議会は香港市民を難民として認定する法案も準備している。3日には香港国家安全維持法違反で逮捕者が初めて起訴された。米議会が人権優先の姿勢を鮮明にするなか、米中貿易合意の履行を重視するトランプ大統領が法案に署名するかどうかが焦点となる。

6月、金融機関の高層ビルが立ち並ぶ香港の街で、デモ隊制圧のため出動する警察=ロイター

香港自治法案は香港の自治の侵害に関わった中国や香港当局者と取引する金融機関に米国が制裁を科せる。対象として想定されるのは、中国共産党幹部が取引する中国の銀行など。運用次第で米金融システムから締め出すことも可能になる。

ただ、トランプ氏は現時点で署名せず、2日の記者会見でも香港問題に言及しなかった。制裁法案に反発する中国が米中貿易合意を履行しない恐れがあるためだ。トランプ氏が署名もせず、拒否権も行使しないケースでは日曜日を除き10日たてば成立する。

一方、香港の民主派は窮地に立たされている。香港メディアによると、1日に香港国家安全法違反で逮捕された10人のうち1人が3日、国家分裂扇動罪とテロ活動罪で起訴された。同法違反の起訴は初めて。

香港政府は2日の声明で「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ、私たちの時代の革命だ)」が香港独立や政権転覆を意味するとして、香港国家安全法に違反するとの見解を示した。起訴された男性はこの標語の旗を掲げてオートバイを運転し、警察官に衝突した。

民主派には動揺が広がる。14年の雨傘運動を主導した羅冠聡(ネイサン・ロー)氏は2日、フェイスブックで行き先を明らかにせずに香港を離れたと明らかにした。「身の危険にさらされている」として、今後は海外を拠点に民主化運動を続けるという。

羅氏は9月の立法会(議会)選挙に立候補を表明し、1日にはテレビ会議方式で米下院の公聴会に参加していた。民主派は立法会選で初の過半数をめざすが、当局に立候補を取り消される可能性がある。

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