韓国、外交安保ラインを刷新 「北朝鮮重視」鮮明に
国家安保室長は徐薫氏

北朝鮮
日韓対立
2020/7/3 17:49
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【ソウル=恩地洋介】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、大統領府の国家安保室長に徐薫(ソ・フン)国家情報院長を起用するなど、外交安保政策をつかさどる主要人事を内定した。北朝鮮とパイプのある人材を登用し、南北融和を一段と進める方針を明確にした。

国家安保室長に内定した徐薫氏=韓国大統領府提供

2017年の文政権発足から国家情報院長を務めた徐薫氏は、金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長のカウンターパートを務めた。日本との関係では、北村滋国家安全保障局長とパイプがある。文大統領の特使として来日し、安倍晋三首相と会談したこともある。

徐氏は3日、記者団に「対北朝鮮政策は国際社会の支持を持続的に確保することが重要だ。米国と緊密に協力し、周辺国との意思疎通もおろそかにしない」と語った。

国家情報院長には朴智元(パク・チウォン)前国会議員が就く。金大中政権で大統領秘書室長や文化観光相を歴任し、00年の南北首脳会談の際は密使として動いた。その後、財閥の現代グループが5億ドルを北朝鮮に送金した事件に関わったとして検察に逮捕、起訴された。

統一相には与党「共に民主党」の李仁栄(イ・インヨン)議員を起用する。院内代表の経歴もある当選4回のベテランで、記者団には3日、北朝鮮への人道支援の実現などを急ぐ意向を示した。

文氏は自身の側近で前大統領秘書室長の任鍾晰(イム・ジョンソク)氏を、大統領外交安保特別補佐官に再登用した。任氏は18年、平昌冬季五輪に合わせて訪韓した金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長をもてなす役回りを担った。金与正氏は対韓工作を総括しており、直接交渉などを想定した配置とみられる。

一連の人事は、韓国への強硬姿勢に転じた北朝鮮との対話再開をめざす文大統領の方針を映している。これまでは外務省出身で国家安保室長の鄭義溶(チョン・ウィヨン)氏が米韓同盟を重視してきたが、鄭氏は特別補佐官に回った。政策の比重が南北融和へと傾く可能性がある。

北朝鮮は6月16日に開城の南北共同連絡事務所を爆破し、韓国への軍事行動計画を明らかにした。ただ、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が23日の党中央軍事委員会の予備会議で「保留」を決め、緊張は一時的に緩和した状態が続いている。 国家安保室長と特別補佐官は早ければ6日に、国家情報院長と統一相は国会の聴聞会を経て任命される。

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