ウーバー、東京でタクシー配車開始 競合激しく

2020/7/3 16:52
保存
共有
印刷
その他

ウーバー・ジャパン(東京・渋谷)は3日、東京都内でタクシー配車サービスを始めた。同社は2018年に日本でサービスを開始し、既に大阪や京都など11地域で展開する大手。市場が最も大きい東京で主要な配車アプリが出そろう。競合が激しくなるなか、同じアプリで宅配サービスの注文も受けられる点をいかし、タクシー事業者の囲い込みを図る。

ウーバー・ジャパンが東京でのタクシー配車サービスを開始した(3日、東京都渋谷区)

ウーバーは日の丸リムジン、東京エムケイ、エコシステムのタクシー会社3社と提携した。千代田区、中央区、港区のほか、乗降客が多い品川駅、秋葉原、浅草周辺でサービスを開始した。

新型コロナウイルスの流行でタクシー利用は大きく落ち込んでいる。全国ハイヤー・タクシー連合会(東京・千代田)によると東京のタクシーなどの営業収入は、5月前半で前年同期比6割以上減少した。

従来は地方でも海外旅行客のアプリ利用が見込めたがインバウンド需要が無くなり、アプリ配車の需要は都市部に絞られつつある。このタイミングで参入を決めた理由について、ウーバー・ジャパンのトム・ホワイト モビリティ事業ゼネラルマネージャーは「どうしても移動しなければならない方はいる。タクシー業界が担う役割は重要だ。利便性の高い選択肢を提供していきたいと考えた」と話した。

新型コロナの感染リスクを抑えるため、アプリも改良した。ドライバー向けにマスクの着用や車内の清掃などを確認するチェックリストを設けた。乗客にも、発熱がある際は利用を控えることや車内で窓を開けるよう促すメッセージを流すようにした。

配車アプリの競争は都市部を中心に過熱している。ソフトバンクが出資するDiDiモビリティジャパン(東京・千代田)は展開地域を絞り、東京や大阪など都市部を中心とするエリアに集中投資していく姿勢を打ち出した。このほか東京では、日本交通系のジャパンタクシーとDeNAの配車アプリ「MOV」事業が4月に統合したモビリティテクノロジーズ(東京・千代田)が既にサービスを展開する。

有力アプリがひしめく東京で最後発となるウーバーだが、ドライバーを取り込む切り札となるのが宅配サービス「ウーバーイーツ」だ。新型コロナの感染拡大で、国土交通省は期間限定の特別措置としてタクシー事業者に飲食店の宅配代行を許可している。

ウーバーのタクシー配車アプリを利用するドライバーは、同時にウーバーイーツから配達注文を受けることができる。お客だけでなく、配達の需要も確保できるメリットで差別化を図る戦略だ。

今後の課題は集客だ。東京都を中心に感染第2波の懸念が高まるなど、需要低迷は当分続きそうだ。ウーバーの利用客向けのアプリには、まだウーバーイーツと相互に使える機能は搭載していない。

ウーバーに限らず、配車アプリは普及の途上で、自社負担で利用者に割り引きクーポンを配布するなど消耗戦が続く。運営各社は黒字化を達成できていない。ウーバーのホワイト氏も収益見通しについて「今は投資フェーズであり、黒字化は時期尚早だ」と話すにとどまる。配車以外のメリットを訴えられなければ生き残りは難しい(井沢真志)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]