静岡鉄道、ホテルの県外展開加速 都内や大阪も

2020/7/3 19:27
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2駅4路線が徒歩圏内という好立地にある(東京・港)

2駅4路線が徒歩圏内という好立地にある(東京・港)

静岡鉄道がビジネスホテルの県外展開を加速している。3日に都内で初となるホテルを開業したほか、2021年には県外4都市目となる大阪市にも進出する計画だ。新たな収益の柱として存在感を見せつつある。ただ想定外の新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊サービス業にも厳しい環境が続く。当面は耐え忍びつつ、収束後の反転攻勢を目指す構えだ。

3日、東京都港区に「静鉄ホテルプレジオ東京田町」を開業した。客室数は189とこれまでで最大規模だ。都内でホテルを運営するのは初めて。8階建ての複合ビルの一部を賃借した。

同ホテルはJR田町駅など2駅4路線が徒歩圏内という好立地にある。周辺には三菱自動車NECなどの本社が位置するほか、オフィス街のある品川にも近い。観光地へのアクセスも良いため出張客だけでなく観光客もターゲットに設定した。他のホテルチェーンの進出も目立つエリアだ。

静鉄がホテル事業に参入したのは08年。JR静岡駅前に「静鉄ホテルプレジオ」ブランドで1号店を開業した。その後、県内で2、3号店もオープンした。それまで県外で事業をほとんど手がけてこなかった。18年以降は、ホテル事業を新たな収益の柱に育てるとの方針のもと毎年のように開業している。

東京以外は福岡市や京都市に進出している。すでに県外拠点数が県内を上回った。21年夏には県外4都市目となる大阪市に150室規模のホテルを開業する予定だ。ビジネスホテルの競争は激化している。部屋の面積を広くとって洗い場付きの風呂にするほか、トイレを独立させたり、高級ベッドで知られるシモンズ(東京・港)と共同開発したオリジナルベッドを導入したりし、他社と差別化してきた。

今後も東海道・山陽新幹線(東京―博多間)の「のぞみ」停車駅の周辺を軸に展開する考えだ。運営を効率化するため同一都市での追加出店も検討する。特に東京はビジネス・観光ともに市場が大きいことから継続的な出店を目指す。静鉄ホテル事業部は「静鉄ブランドの発信拠点でもある。ホテルはグループの重要事業だ」と強調する。

ただ、コロナ禍は想定外だった。「静鉄ホテルプレジオ東京田町」の開業は5月30日に予定していたが、政府による緊急事態宣言の延長を受けて7月3日に遅らせざるを得なくなった。同ホテルの稼働率も初年度で70~80%、3年目以降で85%と見積もっていたが「非公表だが非常に厳しい水準となる見通し」(担当者)。

今後数年はインバウンド(訪日外国人)が見込めず、出張客や観光客の戻りも鈍い。当面は旅行代理店と連携したり、国・自治体の支援策を活用したプランを策定したりしながら耐え忍び、収束後の再成長を期す考えだ。(福島悠太)

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