富士山頂の観測所存続危機 コロナ影響、支援金募る

2020/7/3 12:19
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富士山頂で大気化学や高所医学の研究拠点となっている、「富士山特別地域気象観測所」が運営危機に直面、管理するNPO法人が支援金を募っている。研究者らの利用料が主な収入源だったが、新型コロナウイルスの影響で登山道が閉鎖され、安全が確保できないことから今年の観測を中止。運営費が不足しており、NPOは「地球規模の大気観測ができる貴重な研究の場が失われる」と危機感を示す。

富士山頂にある「富士山特別地域気象観測所」=共同

観測所では気象庁がレーダー観測を実施していたが、気象衛星の発達に伴い1999年に終了した。2007年、研究者らでつくるNPO法人「富士山測候所を活用する会」(東京)が借り上げた。

観測所は毎年7~8月に延べ約400人の学生や研究者が利用。標高3776メートルに位置し地上からの影響を受けにくいため、より正確にアジア地域から運ばれる微小粒子状物質「PM2.5」や、二酸化炭素(CO2)の測定が可能だ。

19年には、マイクロプラスチックが見つかり、海洋や河川のみならず、大気中でも汚染が広がっている調査結果が示された。高山病を防ぐため、低酸素に伴う身体への影響も調べている。

NPOの運営と、強風などで破損した観測所や送電線の修復などで計1800万円が必要だが、助成金を得たとしても300万円の損失が出る見込みに。設備の整備ができず、NPOの存続自体も危うくなるとして、ウェブサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でのクラウドファンディングの開始を決めた。

事務局長を務める静岡県立大の鴨川仁特任准教授は「観測所での研究は地球規模で幅広い分野にわたり、将来の財産だ。継続できるよう協力してほしい」と呼び掛けている。〔共同〕

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