対中制裁法案、米議会で可決 トランプ氏が署名判断へ

2020/7/3 5:00 (2020/7/3 5:17更新)
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香港に認められてきた高度な自治は揺らいでいる=ロイター

香港に認められてきた高度な自治は揺らいでいる=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米上院本会議は2日、香港の自治の侵害に関わった中国共産党員や金融機関への制裁を可能にする「香港自治法案」を全会一致で可決した。香港国家安全維持法への対抗措置だ。下院でも1日に全会一致で可決済みで、トランプ大統領は成立に必要な署名の判断を迫られる。

もしトランプ氏が署名に応じず拒否権を行使しても、上下両院でそれぞれ3分の2の賛成多数で再び可決すれば法案は成立する。中国は米中貿易合意の不履行も示唆し、成立阻止へトランプ氏に揺さぶりをかけている。成立すれば、米中対立に拍車がかかるのは避けられない。

同法案は自治の侵害に関与した中国や香港当局者、関係機関への資産凍結やビザ(査証)発給の停止といった制裁に道を開く。また、それらの人物と取引関係のある金融機関は米国の金融機関からの融資が禁じられ、米国人による借り入れができなくなる。運用次第では、幅広い金融機関が制裁対象になりうる。

これに関連し、ペンス副大統領は2日の米CNBCテレビ番組で「香港国家安全法は国際合意への裏切りだ。自由を愛する世界中の人々に決して受け入れられない」と断じた。民主党のペロシ下院議長は記者会見で「ビジネス上の理由で中国の人権侵害に声をあげなければ、世界中の人権侵害を批判する道徳的な根拠を失う」と述べた。

これまでトランプ氏は署名の意向について明言していない。上下両院での全会一致での可決は、人権問題を重視する意思を超党派で示したことになる。署名に応じなければトランプ氏は批判を免れない。

香港自治法案は6月下旬に上院でまず可決された。下院が1日に微修正を加え法案を可決したため、上院が2日に再び採決した。

両国間では香港を巡る応酬が続いている。中国は米国によるビザ(査証)発給制限に対抗するため、中国外務省が米国人へのビザ発給制限を発表した。

香港国家安全維持法を巡っては日米欧など主要7カ国(G7)が6月17日、外相の共同声明で法案を「再考」するよう求めていた。しかし中国政府は「純粋に中国の内政」と反発し、制定を強行した。

中国当局は6月30日に香港国家安全維持法を施行し、香港の統制姿勢を鮮明にしている。施行翌日の1日には「香港独立」の旗などを所持したとして、同法違反容疑の男女あわせて10人を逮捕した。違法集会や武器所持など同法以外の容疑も含めた逮捕者は約370人に上った。

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