東京都、2カ月ぶり100人超感染 知事「警戒要する」

2020/7/2 21:58 (2020/7/3 5:22更新)
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東京都で2日、新型コロナウイルスの感染者が107人確認され、政府の緊急事態宣言の解除後で最多を更新した。小池百合子都知事は「感染拡大への警戒を要する段階」とする一方、現時点で店舗などへの休業要請には慎重な姿勢を示した。感染が周辺地域に広がる傾向も出ており、都は近隣県と連携して注意喚起を強める方針だ。

都内で1日あたりの新規感染が100人を超すのは154人となった5月2日以来、2カ月ぶり。20~30代が71人で、感染経路が不明のケースは45人だった。

「夜の繁華街」で感染したとみられるのは29人で、ホストクラブやナイトクラブなどの従業員や客が目立った。直近1週間の夜の街での感染者は182人で、半数程度は新宿エリアでの感染が疑われている。

小池知事は2日の記者会見で感染拡大への警戒感を改めて強調した。夜の繁華街への外出を控えるよう呼びかけ、接客飲食業の従業員らに検査を受けることを促した。

休業要請については「東京全体で休業するよりは(感染が発生している)特定の地域や業態がわかっているので、そこに対して明確なメッセージを出し、お願いをしていきたい」と述べた。

都はこれまで、感染者が週平均で1日あたり50人以上などになれば店舗や施設に休業を再要請する基準を示していた。週平均の新規感染者は7月2日時点で65.3人で、同基準であれば休業を要請してもおかしくないレベルだ。

休業要請に踏み込まないのは、感染状況より医療提供体制を重視する方針に転換したからだ。都は1日から新たなモニタリング指標を試行。全7項目のうち感染状況に関する部分が3項目に対し、入院患者数など医療提供体制を4項目にした。

2日午後には新指標での「モニタリング会議」の第1回を開催。専門家の分析で、感染状況を4段階の警戒度で2番目に高い「拡大しつつある」にする一方、医療提供体制は3番目の「強化の準備が必要」とした。

2日時点で都内の入院患者は296人、うち重症患者は9人で、病床の空き具合に余裕がある。都の幹部は「休業の再要請は政府による緊急事態宣言が出された場合に判断する」と説明する。

政府は現時点で宣言発出に否定的だ。菅義偉官房長官は2日の記者会見で「直ちに緊急事態宣言を出す状況に該当するとは考えていない」と語った。宣言を出す判断基準として新規感染者数や感染拡大の早さ、経路不明の割合、医療提供体制の状況などをあげた。

首都圏では都内が感染経路とみられるケースが増えており、予断を許さない。6月19日には県境をまたぐ移動の自粛が解除された。潜伏期間を考慮すると、この後に感染した人が最近発症している可能性が高い。

千葉県では2日、11人の感染が確認された。1日あたりの新規感染が2桁になったのは4月24日以来。県の集計によると、6月22日~7月2日の感染者数は計54人で、うち少なくとも29人が発症前2週間以内に東京都内を訪れていた。

2日は午後9時現在で神奈川県でも13人、埼玉県でも19人の感染が判明した。小池知事は「(近隣県と)情報交換し、県民・都民への注意喚起で連携していく」と話す。

聖路加国際大大学院の遠藤弘良・公衆衛生学研究科長は「感染者の中でも経路不明の人が一定数いることが懸念材料だ。神奈川など近隣の県で感染者が増えているのも東京の影響が少なからずある」と指摘する。

一方、さらに感染者が増えても「4月の緊急事態宣言時と違い、全ての経済活動を止める必要はないだろう。クラスター(感染者集団)が発生しやすい一部の業種に休業要請をするなどの対策であれば、日常生活への影響も限定的にできるのではないか」と話している。

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