20年度の日本製半導体装置の販売額、7%増予想

2020/7/2 18:48
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日本半導体製造装置協会(SEAJ)は2日、2020年度の日本製の半導体製造装置の販売額が19年度比で7%増の2兆2181億円になるとの予想を発表した。テレワークなどの広がりが半導体需要を下支えするとみている。一方で米中摩擦の悪化は半導体製造装置の出荷にとって逆風であり、先行きには不透明な部分も多い。

在宅勤務の広がりなどでデータセンター向けの半導体需要が増加している

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、1月に発表した20年度予想からは130億円下方修正した。スマートフォンや自動車など最終製品の生産が減り、サプライチェーンも混乱したためだ。それでもデータセンターに必要な半導体の需要が下支え役となり、下落幅は小さかった。

ニコン会長でSEAJ会長を務める牛田一雄氏は「テレワークや遠隔操作など暮らし方や働き方が変わり、それに伴って最先端の半導体が重要になる」と話している。

テレワークの普及やオンラインサービスの拡大は、落ち込んでいたメモリー需要を大きく回復させている。NAND型フラッシュメモリーを手掛ける半導体メーカーの稼働率も回復傾向にあり、足元ではメモリー価格が上昇している。

半導体製造装置大手の東京エレクトロンは21年3月期の連結売上高が過去最高の1兆2800億円になる見通し。半導体メーカーからの引き合いは堅調だという。

高速通信規格「5G」の実用化も半導体メーカーの設備投資を後押しして、21年度以降も販売が増えるとSEAJはみている。21年度販売額は10%増の2兆4400億円、22年度は4.6%増の2兆5522億円を見込んでいるという。

今後の不確定要因はコロナの影響だ。半導体メーカーの工場では生産ラインの立ち上げに日本のエンジニアが欠かせない。海外渡航の制限で装置の立ち上げは遅れており、コロナ禍でもエンジニアを派遣できる体制を整えることが各社に共通の課題となっている。

SEAJの渡部潔専務理事は「検査体制の整備やビザ発給などの環境が整えば、秋ごろにはビジネスへの影響は収まるだろう」と話すが、世界的に収束する時期はまだ全く見えてこない。

これに米中摩擦が新たな重しとなる。米政府は米国製の製造装置を使った華為技術(ファーウェイ)向け半導体の輸出禁止を表明している。

米半導体メーカーの需要が堅調なため影響が相殺されるとみてSEAJは今回の予想に米中摩擦の影響を盛り込んでいないが、中国メーカー向け装置の販売の足かせになる可能性は高い。牛田会長は「米中摩擦の影響はコロナよりも長く続くだろう」と懸念する。米国から販売に圧力がかかる可能性もあるという。

米中摩擦の悪化で各国の半導体メーカーが投資を抑制するようになれば、販売拡大の予想は簡単に覆る。半導体製造装置各社はコロナと米中関係の両方に注意を払う必要がある。

(佐藤雅哉)

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