コロナ関連のイノベーション銘柄 テーマ型投信で投資
アフターコロナの投信選び(3)

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2020/7/10 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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コロナショック後の投資環境を踏まえ、この先のマーケットで有望とみられるアクティブ型の投資信託を4つの視点から探る「アフターコロナの投信選び」。前回紹介した「ショックに強かった投信を選ぶ」「危機を乗り越えてきた長寿投信や老舗運用会社の投信を選ぶ」という2つの視点に続き、今回は「コロナ関連テーマへの投資」と「コロナショック後の逆張り投資」という切り口で、投信の専門家が注目するファンドを紹介する。

【関連記事】
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■視点3 コロナ後の投資テーマから投信を選ぶ

バイオや遠隔医療などの医療領域や、テレワーク、遠隔教育、巣ごもり消費、通信関連など、コロナ後の社会で需要拡大が見込める銘柄が買われている。しかし、こういったバイオやハイテクなど、イノベーション関連の銘柄は、思惑で買われていたり、事業リスクが大きかったりする。本命銘柄を探すのは難しい。

楽天証券経済研究所 篠田尚子さん

楽天証券経済研究所 篠田尚子さん

「アフターコロナ銘柄にはテーマ型投信を使って投資する方法もある」と提案するのは楽天証券経済研究所の篠田尚子さん。例えば世界のICT教育関連企業に投資する大和アセットマネジメントの「iFreeActive エドテック」。組み入れ上位は個人では投資するのが難しい中国のネット教育企業が並ぶ。運用実績が短いのでまだ評価は難しいとしながらも、「パフォーマンスもしっかり付いてきている。コロナ後は遠隔授業が有望だと思うなら投資対象として面白いのではないか」(篠田さん)。

そこで、ここではコロナ後社会で有望だと思える6つのテーマに投資できるアクティブ型投信6本を専門家に選んでもらった。

iFreeActive エドテックは急成長中の中国教育産業を中心に投資する。組み入れトップはテンセントと共同事業も行うオンライン英語教育大手のニュー・オリエンタル・エデュケーション。資産の6割以上を中国系企業に投資する(2020年4月末時点)。

iTrustバイオは新型コロナウイルス治療薬として期待される「レムデシビル」を開発した米ギリアド・サイエンシズなど、約50社の有力バイオベンチャーに投資できる。実質保有コストも比較的安い。

ニッセイ健康応援ファンドは高齢化社会の到来で拡大が見込まれる国内の医薬、医療機器、健康増進、介護など40~60銘柄に投資する。組み入れ上位銘柄はダイキン工業オムロン朝日インテックなど(2020年5月末時点)。

eMAXIS Neo バーチャルリアリティはAI(人工知能)を使って関連銘柄を探す「eMAXIS Neo」シリーズのVR(仮想現実)版。米国の半導体、ソフトメーカーが主な投資対象で、エンタテイメントの他、産業分野でVR製品を手掛ける企業にも投資している。

次世代通信関連 世界株式戦略ファンドは2020年後半から本格的に立ち上がる次世代通信規格「5G」に関連する世界の企業に投資。携帯電話会社以外に、開発に必要な計測機器や端末に組み込む半導体などのメーカーにも投資する。

iFreeNEXT FANG+インデックスはコロナ後の社会でも主要プレーヤーであり続けそうなFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)に加え、アップルやアリババ、テスラ、ツイッターなど、米国市場に上場する有力企業群に投資する。

◇  ◇  ◇

■視点4 不人気のテーマや分野にあえて逆張り投資

ファイナンシャルスタンダード 福田猛さん

ファイナンシャルスタンダード 福田猛さん

「人気者をいっときにたくさん買うのは危険な発想」と言うのは、独立系金融アドバイザー(IFA)のファイナンシャルスタンダードの福田猛さんだ。人気化している次世代通信規格「5G」関連の銘柄や、米有力ネット銘柄は相当な資金を集めており、足元の割高感は否めない。また、AI(人工知能)なども成長産業だが、皆が伸びると考えている分野なので関連銘柄は割高だと捉えるのが自然だろう。

「5GやAIは社会を変えていく産業かもしれないが、産業の成長と株価の上昇をセットで考えるのは危険。投資するなら10年以上の時間軸で、つみたてNISAなどを使って投資すべきテーマ」。そう指摘する福田さんが有望と考えるのは、不人気分野への逆張り投資だ。

「過去を振り返ると、『世界株』『世界REIT(不動産投資信託)』『米ハイイールド債(低格付け社債)』といった投資対象は、長期リターンは良好なのだが、短期的には波乱要因で値が大きく動く。つまり大きく下げた時は投資の絶好の機会になることが多い」(福田さん)。日本の中小型バリュー株投信などもコロナショックを受けて大きく下げている。2番底でさらに下げるかもしれないが、中長期では報われる可能性も高いという。

例えば、中小型バリュー株に投資する三井住友・中小型株ファンドや、中小型バリュー株取引と株価指数先物取引を組み合わせた運用で絶対収益の獲得を目指すAR国内バリュー株式ファンド

三井住友・中小型株ファンドは著名ファンドマネジャー、木村忠央氏が2003年から運用する投信だ。2019年秋から資金流出が続いたが足元は一服している。AR国内バリュー株式ファンドは2018~19年と日経平均株価にも負けており、資金流出が続いている。

どちらも運用成績は厳しいが、「あえて不人気の中小型バリュー株に投資するならどちらも面白い商品」と福田さんは見る。

一方、コロナショックによる業績悪化見通しから、多くの発行企業の信用格付けが引き下げられた米ハイイールド債はどうか。なかなか投資しにくいが、福田さんの見立てに従って中長期で投資するなら、みずほUSハイイールドオープン(年1回決算型)為替ヘッジなしが選択肢。米国のドル建てハイイールド債495銘柄(2020年5月末時点)に幅広く投資する。コロナショック時には基準価額が10%以上も下落した。3月の米金融当局による支援策発表後も急落前の水準には戻っていないが、「中長期の戻りに期待したい」(福田さん)。

(本間健司)

[日経マネー2020年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年8月号 勝ち組投資家に学ぶ ここからの稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/6/19)
価格 : 780円(税込み)

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